【孼】 19画 子(16) 1級
減画略字【孽】
[音] | ゲツ |
[訓] | ひこばえ |
わざわい | |
わきばら |
《意味》
【孼庶】げっしょ
めかけの子。
「孼子」「庶子」
「嫡子」
【孼い】わざわい
天や自然が下すわざわい。不吉な事柄。また、害悪。
【妖孼】ようげつ
災い。また、災いのおこるきざし。
「国が滅びようとするときは必ず妖孼がある」
《字源》
上の部分の「辥」は「(げつ)+辛(しん)」。
「」は「(し)」(軍の出行のとき、軍社に供えた祭肉)を上からかけている形。
「辛」は把手のある曲刀。
この肉を切り分ける意から分ける意を持つ。
この切り分けた神聖な肉に害を及ぼすことを「孼」という。
切り分けた肉であることから派生して、切り株から新しい芽が出たものをいう「櫱(ひこばえ)」がある。
「」に関連した漢字に「師」「遣」「追」「帰(歸)」があり、いずれも軍行に関係する。
:「辥」の甲骨文字。左下が肉「」。右が曲刀「辛」。
:「辥」の金文。左が上からかけた肉。右が曲刀。
「」の部分が「」の甲骨文字があり、上部が足の象形「」であることから、肉を掛けてる形ではなく、切り取った捕虜の足肉であるとする新説もある。
《字体》
唐代楷書から「」と書くのが一般的で、正字の「」と書いたものは見られない。現在の手書きの楷書では草冠も省略して「」と書いても差し支えない。