【夷】 6画 (3) 準1級


[音]
[訓] たいらか
たいらげる
ころ
うずくま
おご
えびす
えみし

《意味》

  1. えびす。未開の人。中国人は自分の民族文化を中華(中夏)と称し、その文化の恩恵をこうむらない民族を東夷・西戎せいじゅう北狄ほくてき南蛮なんばんと呼んだ。
  2. えみし。えびす。古代に関東以北に住み、言語や風俗を異にして、朝廷に従わなかった人々。
  3. えびす。七福神の一つ。
  4. たいらか。平定する。
  5. つねに。平坦で、変化のないさま。また、そのやり方。平坦で、目立たない状態。

【夷険一節】いけんいっせつ

順境にも逆境にも節操を変えないこと。平和なときも危険なときも守る節操は変わらず、一つであること。
「夷険節を一にす」が書き下し文。

【夷狄】いてき

  1. 未開人。野蛮人。えびす。
  2. 外国人を軽蔑したり敵意をもったりして呼ぶときに使う語。

【夷蛮狄】いばんじゅうてき

中国周辺部の異民族の総称。漢民族が異民族を見下して呼んだ言葉。四方の野蛮な国々のこと。
東夷とうい南蛮なんばん西せいじゅう北狄ほくてき」の略。
西東夷せいじゅうとうい」「南蛮北狄なんばんほくてき」「獣夷狄きんじゅういてき

【夷滅】いめつ

さからう者たちを平らげ、滅ぼすこと。

【夷を以て夷を制す】いをもっていをせいす

蛮人をつかって他の蛮人をおさえる。みずからは戦わないで他の国々に争わせ、自分の国の安全や利益をはかる外交政策。
四字熟語で「以夷制夷いいせいい」ともいう。

【夷】えびす

  1. 古代に、北関東から東北・北海道にかけて住み、朝廷の支配に抵抗し服属しなかった人々。
  2. 荒々しい武士。情を解さぬ荒っぽい人。特に、東国の武士を京の人から見て言う語。
  3. 都から遠く離れた未開の土地の人。
  4. 野蛮な外国人。
  5. 七福神の一つ。商売繁盛・福の神として広く信仰される、兵庫県西宮神社の祭神。
    「恵比・恵比寿・戎・蛭子」とも書く。一般に「恵比」と書くことが多い。

【夷守】ひなもり

古代、九州など辺境の要地を守ること。またその人。

夷】えぞ

  1. 北海道の古称。
  2. 古代、奥羽地方から北海道にかけて住んでいた人種。
    アイヌとする説が有力であるが、日本人の一部とする説もある。えびす。
    「えみし」とも読む。

夷菊】えぞぎく

キク科の一年草。園芸品種名アスターで呼ばれることが多い。
Wikipediaエゾギク
菊」とも書く。

【辛夷】こぶし

モクレン科の落葉高木。春、葉よりも先に白い大形の六弁花をつける。ヤマアララギ。つぼみが子供の握りこぶしに似ることから。
植物園へようこそ!コブシ

【焼夷】しょうい

焼きはらうこと。
「敵機の焼夷弾で町が焼けた」

【征夷】せいい

辺境の未開人を征服すること。

夷】たんい

土地などが平らであること。
「平坦」

【陵夷】りょうい

勢いが次第におとろえること。衰退。
「陵」は丘で、丘が崩れて平らになる意から。

《字源》

初文は(し)。人が腰をかがめて座る形。
金文の字形はに近く、夷人の座り方を示す。
のち字形が「夷」になった。「夷」は矢に(いぐるみ)を加えた形。
初文の、あぐらをかく形から、たいらか、たやすい、大きいの意になる。

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