【惟】 11画 忄(8) 準1級
[音] | イ |
ユイ |
[訓] | おもう |
これ | |
ただ |
《意味》
【惟う】おもう
よく考える。意識をもっぱらある点に注ぐ。
【惟神】かんながら
「随神」とも書く。
【惟神の道】かんながらのみち
神の心のままで人の力を加えない日本固有の道。神道。
【惟】これ
近称の指示代名詞。話し手にとって近い物事をさし示す言葉。
「此れ・是・之・斯」
【惟】ただ
ただ~だけ。他のことだけではなく、ひたすらそのことだけ。限定の意に用いる。
「唯」とも書く。
【惟一】ゆいいつ
ただこれ一つ。これ以外にはないこと。
「唯一」とも書く。
【思惟】しい
論理的に考えること。思考。
《字源》
声符は「隹(すい)」。「隹」に「唯」「維」のように「い」声がある。
「隹」は鳥占。鳥占の結果、その神意を示すことを「唯」といい受諾を表し、神意をはかることを「惟」といい、やがて人の思念する意となった。
「唯」は「(さい)+隹」。「」は祝詞を入れるための器で、祈りを表す。
「隹」が初文(最初に使われた形)で用いられ、のち「唯・惟・維」を用いる。
「唯」が、「虫」つまり蠱(呪詛)に冒されると「雖」となる。「唯」に対して停止条件が加えられ、逆接態となって「いえども」となる。
:「唯」の甲骨文字。
:「雖」の金文。