【淫】 11画 (8)  2級

姿形書換字


[音] イン
[訓] みだ
ふけ
あふれる
  ほしいまま
  みだら
  みだ
  おおきい
  ながあめ

《意味》

  1. ひたる。ひたす。あふれる。
  2. 物事にふける。深く入りこんで悪くする。
  3. みだら。色ごとに深入りする。ふしだらなさま。「婬」

【淫佚・淫逸】いんいつ

  1. 遊びや楽しみにふけること。酒や女性相手に遊び呆けること。
  2. 男女の関係が乱れていること。みだらなこと。「淫逸に流れる」

【淫雨】いんう

いつまでも長く続く雨。作物に害を与える長雨。
霖雨(りんう)

【淫虐】いんぎゃく

みだらで、むごたらしいこと。

【淫虐暴戻】いんぎゃくぼうれい

女色にふけり、道理を踏み外すこと。淫らな生活をし、乱暴で非道なこと。また、そのさま。

【淫行】いんこう

みだらな行為。性的に乱れた行為。

【淫祀・淫祠】いんし

いかがわしい神を祭ること。また、その信仰。
「淫祀邪教のたぐい」

【淫辞】いんじ

  1. みだらな言葉。
  2. よこしまな言葉。邪説。

【淫する】いんする

  1. 悪い結果を招くほど夢中になる。度を過ごす。おぼれる。ふける。「酒に淫する」
  2. みだらなことをする。性行為する。

【淫いんとう

酒色におぼれて、生活が乱れるようす。

【淫売】いんばい

女が金で体を売ること。また、その女。売春。売淫。

【淫靡】いんび

みだらで節度のないこと。風俗が乱れていること。
「淫靡な目つき」

【淫風】いんぷう

性に関するみだらな風習・風潮。
「婬風」とも書く。

【淫奔】いんぽん

性的にだらしがないこと。淫乱。多く、女性についていう。
「婬奔」とも書く。

【淫乱】いんらん

性的関係がひどくみだらなこと。
「婬乱」とも書く。

【淫猥】いんわい

性的に下品でみだらなこと。
卑猥(ひわい)」「猥褻(わいせつ)

【淫ら】みだら

性的なことに関して不真面目で、いやらしいこと。性的に乱れた感じを与えるようす。
「猥ら」とも書く。

【誨淫誨盗】かいいんかいとう

悪事を人に教えること。
淫らなことや盗みを教えるということから。
「誨盗誨淫」とも書く。

淫】かんいん

男女が倫理に反した肉体関係をむすぶこと。不正な情事。
「汝姦淫するなかれ」
姦通(かんつう)」「密通(みっつう)」「私通(しつう)」「不義(ふぎ)

【驕奢淫逸】きょうしゃいんいつ

思うままに贅沢(ぜいたく)し、淫らに走ること。主に酒食についていうことば。
「驕奢」は(おご)って思うままに贅沢(ぜいたく)すること、「淫逸」は(みだ)らな行いをすること。
「淫逸」は「淫佚」とも書く   
奢侈淫佚(しゃしいんいつ)

【荒淫】こういん

ひどく色事にふけること。情欲におぼれること。

【邪淫】じゃいん

  1. よこしまでみだらなこと。
  2. 夫または妻以外の異性との情事など、社会通念として認められないみだらな情事。

【奢侈淫佚】しゃしいんいつ

度を超して贅沢(ぜいたく)をし、遊興などにうつつを抜かすこと。
「奢侈」は必要以上の贅沢(ぜいたく)のこと。「淫佚」は(みだ)らなこと。
「淫佚」は「淫逸」とも書く   
驕奢淫逸(きょうしゃいんいつ)

【書淫】しょいん

読書にふけること。書物を非常に愛好すること。また、その人。

【浸淫】しんいん

次第にしみ込むこと。だんだん進行すること。

《字源》

声符は(いん)「爪(そう)+(てい)
)」はまっすぐ(つま)立ちして天に祈りを捧げる人で、はそれに上から手を加えて祈りを責め督促する形。過剰である、みだりに幸いを求める、むさぼる意。
水が浸透していくことを「淫」といい、人の欲情については「婬」という。
を含む字に「呈・廷・庭・聽(聴)・聖・望」などがあり、爪立ちして何かを捧げたり、見たり聞いたりする字形。
と似たような字形に「壬(じん)」「王」があるが、「壬」は胴体部分がふくらんだ、物を鍛冶(たんや)するための金属の台。
「壬」系列の字には「任(物を載せることから)・妊(胴がふくらんでいることから)などがある。

《字体》

の部分はが字源的には正しいが、唐代の楷書ではすでに「壬」の形で書かれてた(「王」のように書くものもある)。
の部分もと書くのが楷書としては安定した書き方で、に従う字はすべての形が一般的。
つまり手書きの楷書ではと書く方が適当。

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