【襖】 17画 (12) 準1級

交換略字


[音] オウ
[訓] わたいれ
  ふすま
  あお

《意味》

  1. 衣服のあわせ。綿入れ。
  2. [国訓]ふすま。建具の一つ。
  3. [国訓]あお。奈良・平安初期、武官の朝服。

【襖】あお

  1. 奈良・平安初期、武官の朝服。両方の(わき)をあけたままで、縫い合わせず、(らん)がないため、「闕腋(けつてき)(ほう)」ともいう。
  2. 狩襖(かりあお)」の略。狩衣(かりぎぬ)
  3. (あわせ)の衣。綿を入れたものもある。襖子(あおし)
音読みの「オウ」が転じた読み。

【襖】ふすま

細い木で骨を組み、両面に紙・布などを張った和室用の建具。唐紙。襖障子(ふすましょうじ)

【襖絵】ふすまえ

(ふすま)に描いた絵。

【金襖子】かじかがえる

アオガエル科のカエル。渓流の岩の間にすむ。
Wikipediaカジカガエル
「河鹿蛙」とも書く。

【素襖】すおう

直垂(ひたたれ)の少し変化した衣服で、上下とも同色の麻地で作り、家紋を染めだしたもの。
室町時代は武士の常服であったが、江戸時代には武士の礼服となった。

《字源》

声符は「奥(おう)
「奥」の旧字は「奧」で、「宀(べん)+(べん)+(きょう)
「宀」は神聖な建物。は獣掌の形で膰肉の類。
「廾」はこれを捧げる両手の形で神に薦める意。その神殿を「奧」という。

《字体》

旁の「奥」の部分の康煕字典体は「奧」だが、「奥」が初唐標準字体で、歴史的にはこの字体で書かれたものが殆ど。
「奥」を含む「襖」「懊」なども同様で、手書きの楷書では「奥」の形で書いて差し支えない。
内部を「釆」の形に解したのは、説文篆文の形からだが、それより前の甲骨文字では「米」の形に近い。
漢字の字体が甲骨文字から篆文を経て楷書体に変化していったのなら、むしろ「米」の形の方が自然だと思われる。
康煕字典体(正字)のルーツである開成石経でも「奥」の形で書かれている。
この問題は「番」も同様で、と書くのが歴史的に殆どで一般的だった。
の甲骨文字。※ちなみに「米(こめ)」の甲骨文字は
「奧」の説文篆文。

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