【岡】 8画 (5)  2級

同字【堽】1級


[音] コウ
[訓] おか

《意味》

  1. おか。小高い土地。
  2. そば。かたわら。他の名詞の上に付いて「かたわら」「局外」の意を表す。

【岡】おか

  1. 低く平らな土地が小高く盛り上がった部分。ゆるやかな傾斜をもち、山よりも低いものをいう。
    「丘」とも書く。
  2. かたわら。「岡惚れする」
    「傍」とも書く。

【岡(っ)引】おかっぴき

江戸時代、諸役人の手先となって犯人の探索・逮捕を助けた私的な使用人。おかひき。めあかし。
「おか」は「傍」で、側にいて手びきをする意。

【岡れ】おかぼれ

  1. 他人の恋人を好きになること。また、その相手。横恋慕(よこれんぼ)
  2. 相手の気持ちがわからないのにひそかに恋すること。また、その相手。片思い。
  3. 本気でなくちょっと好きになること。また、その相手。
「傍惚れ」とも書く。

【岡目八目】おかめはちもく

当事者よりも傍観者のほうが、物事の善し悪しや利・不利を正確に判断できること。
他人の打っている囲碁をみている者は、対局者より八目先の手まで読めるということから。
「傍目八目」とも書く。

【岡持(ち)】おかもち

浅いおけに手とふたをつけたもの。料理屋などで料理を入れた皿などを運ぶときに使う。

【岡焼(き)】おかやき

自分に直接かかわりがないのに、他の男女が仲よくしているのをねたむこと。
「クリスマスイブに岡焼きする」
「おか焼き餅」の略。はたで焼き餅を焼くの意。
「傍焼き」とも書く。

【岡こうふ

高い台地。丘阜。

【岡陵】こうりょう

高い台地。
「陵」は、山の尾根。

《字源》

「网(もう)(鋳型の形)+(山の部分)
「岡」は鋳型を示す「网」に、火を加えてこれを焼成する意。
その鋳型を力で裂くことを「剛」という。「剛」は鋳型を裂き外す意象の字で、裂くのに刀を用いた。
その色は赤く、「岡」は赤土色の丘で、その色は焼土に近い。

《字体》

「岡」の上部「罒」に略され、「山」「止」と相互対応する(「歳」や「歩」の異体字と同様)ので、」「やさらに上部に山がつく異体字がある。
それらは、日本では『万葉集』などからすでに見られる字体で、近世初期ぐらいまで連綿と常用されているが、それ以降は徐々に見られなくなる。
「堽」はそれらから二次的に派生した異体字で、『康煕字典』に収録されているため、現在でもJIS収録されている。

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