【苛】 8画 (5)  2級


[音]
[訓] きびしい
  むご
  さいな
  いじめる
  わずらわしい
  いらだつ
  から

《意味》

  1. からい。きびしい。むごい。せめる。とがめる。
  2. こまかい。わずらわしい。みだれる。
  3. さいなむ。

【苛める】いじめる

  1. 弱いものに乱暴をしたり意地悪をしたりして、つらい思いをさせる。虐待する。
  2. 自らを苦しめ痛めつける。特に、訓練などのためにそのようにする。
「虐める」とも書く。

【苛苛】いらいら

思い通りにならずあせって落ちつかないようす。じりじり。
気が落ちつかず、神経が過敏になっている状態。
「苛苛が募る」

【苛立つ】いらだつ

思い通りにならなくて、いらいらする。心が落ち着かない。

【苛虐】かぎゃく

苦しめ(しいた)げること。むごく扱うこと。また、そのさま。

【苛酷・苛刻】かこく

むごくきびしいようす。情け容赦なくいじめ苦しめるようす。無慈悲。
「苛酷な労働」
「過酷」より過酷な感じ。

【苛察】かさつ

些細(ささい)な事にまで立ち入って厳しく観察すること。苛酷な観察。

【苛政】かせい

人民を苦しめる、むごい政治。
「圧政」「悪政」「暴政」「虐政」
《苛政は虎よりも猛し》かせいはとらよりもたけし
悪い政治の行われている所は、人食い虎の出る所よりも住みにくく恐ろしい。
むごい政治を戒める語。

【苛性曹達】かせいソーダ

水酸化ナトリウムの俗称。
Wikipedia水酸化ナトリウム

【苛税】かぜい

ひどく重い税金。
「重税」

【苛烈】かれつ

ひどく厳しいこと。
峻烈(しゅんれつ)」「酷烈(こくれつ)」「猛烈(もうれつ)」「激烈(げきれつ)

【苛斂】かれん

税金・年貢などを厳しく取り立てること。

【苛斂誅求】かれんちゅうきゅう

年貢・税金などを酷く厳しく取り立てること。
「斂」は収める、「誅」は責めるの意。
略して「苛求」ともいう。

【苛む】さいなむ

  1. 責め(しか)る。
  2. 苦しめ悩ます。いじめる。

【煩苛】はんか

煩雑(はんざつ)苛酷(かこく)なこと。
法律や注意などが細かすぎてわずらわしいこと。

《字源》

声符は「可(か)
「可」「口」(さい)で、祝詞(のりと)を入れるための箱。
は木の枝で、「柯」のこと。
「柯」の枝で(さい)を打って大きな声で神に祈り、祝詞の内容の許可を求める。
神が許可することを「可」という。
「可」には「呵」の意もある。
「可」の甲骨文字。

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