【懐】 16画 (13)  2級

旧字体【懷】 19画 (16) 1級


[音] カイ
[訓] ふところ
  なつかしい
  なつかしむ
  なつ
  なつける
  いだ
  おも

《意味》

  1. おもう。おもい。胸の中に大事にたたみこむ。心の中で大切に思い慕う。
  2. なつかしい。なつかしみ。慕わしい。胸に抱いて慕わしく思う感じ。
  3. なつく。なつける。ふところに抱き込んでかわいがる。いたわって慕わせる。したしむ。
  4. ふところ。また、ふところの中。
  5. いだく。身に持つ。また、心の中におもいをいだく。

【懐く】いだく

  1. ふところに入れる。
  2. ある考えや感情を心に持つ。
「抱く」とも書く。

【懐う】おもう

心に留めて思い慕う。なつかしむ。
「故郷を懐う」

【懐炉】かいろ

衣服の内側に入れて体をあたためる携帯用の器具。

【懐香】くれのおも

茴香(ういきょう)の別名。
セリ科の多年草。実を香辛料・薬用にする。全体に独特の香りがある。フェンネル。
植物園へようこそ!ウイキョウ
「呉の母」とも書く。

【懐く】なつく

慣れ親しむ。親近感をいだき、近づきなじむ。
「子どもが母親に懐く」「よく懐いた犬」

【懐手】ふところで

  1. 和服を着て、腕を袖に通さず懐に入れていること。抜き入れ手。
  2. 仕事などを他人にまかせきりで、自分は何もしないこと。

《字源》

つくりの「褱(かい)「衣(とう)
は目から涙がこぼれていることを表す字。死者の衣襟の間に涙をそそぐ形。その死を哀惜し、懐念することをいう。
「褱」「懷」の最初の形。
を含む字としてがあるので、こちらも参考に。
「衣」(とう)ということと、その意味を知っていれば覚えられる。

《字体》

常用漢字の字体「懐」は、後漢の隷書の頃からすでに見られる形で、初唐には一般的な楷書の形。
魏の鍾繇(しょうよう)、唐の欧陽詢などのように「衣」の点がない字体も多く見られる。
「懷」の字体は唐代楷書ではほとんど見られないが、説文篆文に準拠した字体のため正字として字書類で採用され、正字を好む顔真卿が使用しているほか、印刷技術が発展した北宋以降書かれることも増える。
一般的な手書きの楷書では常用漢字のようにと書いて差し支えない。
「褱」に従う「壊」なども同様。

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