【掬】 11画 (8) 準1級


[音] キク
[訓] すく
むす

《意味》

すくう。片手または両手をまるくして、その中へ水をすくいとる。また、手のひらをまるめて、その中にのせる。「掬水」

【掬する】きくする

  1. 両手ですくう。むすぶ。
  2. 心情などを察する。気持ちをくみとる。
  3. 注目する。
    多く「掬すべき~」という形で用いる。
  4. 手にとって味わう。

【掬う】すくう

  1. 手・さじ・網などで軽くかすめるようにして上へ取り出す。また、液体からその表面や中にある物を軽く取り上げる。
    「夜店で金魚掬いをする」
  2. 〔比喩的に〕下から上へさっと持ち上げる。
    「足を掬う」

【掬ぶ】むすぶ 

(てのひら)を合わせて水をすくいあげる。

【足を掬う】あしをすくう

相手のすきにつけ込んで失敗させる。

【一掬】いっきく

  1. 両手で水をひとすくいすること。ひとすくい。
  2. わずか。
    「一掬の楽しみもない」
    逆に「両手いっぱいの~」を表すこともある。
    「一掬の涙」
    1. わずかな涙。ほんの少しの涙
    2. 両手ですくうほどのたくさんの涙。

【同じ流れを掬ぶ】おなじながれをむすぶ

お互いに縁のある間柄であることのたとえ。
同じ川の水を手ですくって飲む意。
「一樹の陰一河の流れも多生の縁」

【小股掬い】こまたすくい

  1. すもうで、相手の内またを手ですくってたおす技。四十八手の一つ。
  2. 相手のすきにつけこみ、自分の利益をはかること。

《字源》

声符は「匊(きく)で、「掬」の初文(最初の形)。
「匊」「勹米」で、「勹」は人が身をかがめて物を取る横向きの形。
「匊」の金文。身をかがめて物を受ける形。

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