【尭】 8画 (5)  準1級

旧字体【堯】


[音] ギョウ
[訓] たか

《意味》

  1. たかい。けだかい。「高」
  2. 古代中国の伝説上の聖天子。名は放勲。五帝のひとり。を起用して治水にあたらせた。
    のち舜の有能さを認めて天下を譲ったことは、儒家から理想の君主政治とされた。
    陶唐氏とも、唐尭ともいう。

【尭尭】ぎょうぎょう

山などが極めて高いさま。

【尭階三尺】ぎょうかいさんじゃく 

質素な生活をすること。
中国の伝説上の聖王といわれる尭帝の御殿は、土の階段で高さが三尺に過ぎなかったことから、君子の理想的な質素な生活とされた。

【尭鼓木】ぎょうこしゅんぼく 

人の善言をよく聞き入れること。
尭帝の設けた太鼓と帝の立てた木札という意から。
中国の伝説上の聖王といわれる尭帝は、朝廷に太鼓を置き、自分を(いさ)めようとする者にはこれを打たせた。
同じく舜帝は木をたてて、これに自分に対する諫めの言葉を書かせた。

【尭ぎょうしゅん

  1. 中国、古代の伝説上の帝王、尭と舜。徳をもって天下を治めた理想的な帝王とされる。
  2. 優れた帝王のたとえ。

【尭風雨】ぎょうふうしゅんう

尭帝と帝の仁徳が天下に広く行き渡ったこと。徳のある帝の恩徳を風雨の恵みにたとえていったことば。
太平の時代を形容することば。
帝尭と帝舜の時代は、世の中が平和でよく治まり、天候も順調で、自然の恵みも多かったことから。
「尭雨風」「尭年日」「尭天日」「日尭年」

【尭年日】ぎょうねんしゅんじつ

尭やという聖天子をいただくような天下泰平の世をいう。
「尭風雨」

【尭い】たかい 

  1. 山などの丈が長い。
  2. 気高い。崇高である。

【跖狗尭】せきくはいぎょう 

人はそれぞれ自分の仕える主人に忠を尽くすもので、善悪をわきまえて尽くすわけではないということ。
また、善悪の評は立場をかえれば逆になることのたとえ。
大どろぼうの盗跖(とうせき)の犬が、聖人の尭帝に対してほえるという意。

《字源》

旧字は「堯」で、「垚(ぎょう)+(こつ)
「土」は土器で、台上に高く積み上げている形。
土器を焼成するとき、(かまど)に多くの土器を並べることから、「堯」の字形が生れたものと思われる。段々に積みあげるので尭高の意となった。
「燒(焼)」「堯」に従うのも土器を焼成することと関係する。
「尭」の甲骨文字。

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