【昏】 8画 (4) 準1級


[音] コン
[訓]
  くら
  くら

《意味》

  1. ひぐれ。たそがれどき。
  2. くらい。道理がわからない。
  3. くらむ。目がくらむ。

【昏い】くらい

  1. 日が暮れて光がない。
  2. 道理に疎い。愚かである。知識が乏しい。事情に通じていない。不案内である。

【昏れ】くれ

日が暮れて暗くなる頃。日暮れ。たそがれどき。

【昏愚】こんぐ

道理に疎く愚かなことさま。暗愚。

【昏昏】こんこん

  1. 暗いさま。また、道理に暗いさま。
  2. 深く眠っているさま。また、意識がはっきりしないさま。
    「昏昏と眠り続ける」

【昏睡】こんすい

  1. 正体なくぐっすりと眠りこむこと。
  2. 意識がなくなって、外から強い刺激を与えても目ざめないこと。失神。
    「交通事故にあったまま昏睡し続けている」

【昏酔強盗】こんすいごうとう

人を昏睡または泥酔させて物を盗む罪。強盗として処罰される。

【昏絶】こんぜつ

目がくらんで気を失うこと。

【昏定晨省】こんていしんせい

親に孝行を尽くすこと。
「昏定」は晩になると父母の寝所を整えること。「晨省」は朝になると父母のご機嫌を伺うこと。
定省(おんせいていせい)

【昏倒】こんとう

目がくらんで、急に倒れること。卒倒。

【昏迷】こんめい

  1. 混乱して見通しがつかないこと。物事の道理にくらく、分別に迷うこと。心が乱れ惑うこと。「昏迷する世界情勢」
  2. 意識の低下はないが、精神活動が停滞し、外界の刺激に反応しなくなること。また、その状態。
「混迷」と書き換えられる。

【昏こんめい

くらいこと。くらやみ。
「昏冥に漂う」

【黄昏】こうこん

  1. たそがれ。夕暮れ。
  2. (いぬ)の刻。

【黄昏】たそがれ

  1. 夕方の薄暗いとき。夕暮れ。
  2. 物事が終わりに近づき、勢いを失う頃。「軍事政権の黄昏」

《字源》

「氏日」「氏は肉を切る小刀の形。氏族共餐の時、これで肉を切り分けるので、のち氏族の意に用いる。日」の形の部分はおそらく肉塊の象形。
「説文解字」では「氏」ではなく「民」につくるとし、「民」が人の目を刺す字形であることから、くらい意を持つとしているが、甲骨文字の字形からすると「氏」である。
氏族同士の結合(婚礼)など重要な儀礼・祭祀は、昏(暮れ)より行われた。

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