【須】 12画 (3)  準1級


[音] シュ
[訓]
もちいる
もとめる
しばら
すべからく~べし

《意味》

  1. まつ。こちらが動かず、相手の動きをまち望む。その機会をまちうける。
  2. もちいる。もとめる。他の何かに頼ろうとしてまちうける。ぜひ必要とする。ぜひにと期待する。
  3. すべからく~すべし。「ぜひ~する必要がある」「当然~すべきである」「きっと~にちがいない」と訳す。
  4. しばらく。少しの間。「須臾(しゅゆ・すゆ)
  5. ひげ。柔らかいひげ。とくに、あごひげ。(しゅ)
  6. 梵語(ぼんご)「シュ・ス」の音訳字。「須彌山(しゅみせん)

【須待】しゅたい

自分が動かずに相手の動きをまつ。

【須山】しゅみせん

世界の中心にあるという非常に高い山。日月がその周囲をまわり、頂上に帝釈天(たいしゃくてん)、中腹に四天王が住むという。
「すみせん」とも読む。

【須檀】しゅみだん

寺院の仏殿に設けられた、仏像を安置する壇。もと、須弥山をかたどったという。仏座(ほとけのざ)
「すみだん」とも読む。

【須臾】しゅゆ

ほんのわずかの時間。しばし。しばらく。暫時。寸刻。
「須臾も忘れたことはない」
「すゆ」とも読む。

【須要】しゅよう

是非とも必要なこと。なくてはならないこと。
「須要な要件」
「必須」「必要」「不可欠」
「すよう」とも読む。

【須恵器】すえき

古墳時代中期から平安時代にかけて作られた土器。轆轤(ろくろ)成形し、登り(がま)で高温焼成した比較的硬質な灰黒色の土器。主に朝鮮からの渡来人が製作。
「陶器」とも書く。

【須佐之男命】すさのおのみこと

記紀神話で出雲系神統の祖とされる神。伊弉諾(いざなき)伊弉冉(いざなみ)二尊の子。天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟。
「素戔嗚尊」とも書く。
Wikipediaスサノオ

【須らく】すべからく

なすべきこととして。ぜひとも。当然。
多く、下を「べし」でむすぶ。

【須つ】まつ

  1. 条件を満たすものを待ち望む。
  2. 相手の動きを待ち受ける。

【恵比須】えびす

七福神の一。商売繁盛・福の神として広く信仰される、兵庫県西宮神社の祭神。
「恵比寿・子」とも書く。
Wikipediaえびす

【急須】きゅうす

煎茶(せんちゃ)()れるときに用いる、取っ手の付いた、注ぎ口のある小型の器具。それに葉茶を入れ湯をさして茶を出す。きびしょ。茶出し。

【呉須】ごす

磁器の染め付けに用いる藍色の顔料。
主成分は酸化コバルトで、他に鉄・マンガンなどを含む。天然には、青緑色を帯びた黒色の粘土(呉須土)として産出する。

【白長須鯨】しろながすくじら

哺乳類ナガスクジラ科の動物。
「須」はヒゲの意。
Wikipediaシロナガスクジラ

【必須】ひっす

なくてはならないこと。必要なこと。
「必須の条件」「必須科目」

《字源》

「頁(けつ)+(さん)
「頁」は儀礼を行うときの人を横から見た形。「彡」はひげ。
金文の字形からみると、「彡」「頁」の顔に密着しているので全体を象形字とみてもよい字。
「須」「鬚」の元の字で、ひげが原義。
他の意は、音が同じだったため当てられたもの。
「須」の金文。

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