【楚】 13画 (9) 準1級


[音]
[訓] いばら
  しもと
  むち
  すわえ

《意味》

  1. すっきりしたさま。さばさばしたさま。
  2. いばら。木の名。ニンジンボク。クマツヅラ科の落葉低木。
  3. しもと。すわえ。むち。
  4. 国名。春秋戦国時代、長江中流の地を領有した国。

【楚】いばら

  1. トゲのある低木の総称。
  2. ニンジンボク。クマツヅラ科の落葉低木。

【楚】しもと

刑罰の用具。罪人をむち打つための、細い木の枝で作ったむち・つえ。

【楚】すわえ

  1. 細く、まっすぐな若枝。すわい。
  2. 刑罰に用いるむち。しもと。

【楚蟹】ずわいがに

クモガニ科の海産のカニ。甲は丸みを帯びた三角形で、雄は甲幅15センチメートル、歩脚を広げると80センチメートルに達する。寒流域に分布。日本海側の重要な水産物。
wikipediaズワイガニ

【楚材晋用】そざいしんよう

優秀な人材が他国で重用されること。また、ある場所の人材を他の場所でうまく重用すること。
楚の人材を晋の国で使う意。

【楚囚】そしゅう

他国で捕らわれの身となっている人。捕虜。とりこ。
楚の鍾儀(しょうぎ)(しん)に捕らわれてもなお母国の冠をつけて母国を忘れなかったという故事から   
楚囚南冠(そしゅうなんかん)

【楚夢雨雲】そむううん

男女の情交、密会。
「楚夢」は楚の懐王がみた夢の意。
中国戦国時代、楚の懐王が高唐で昼寝をしていたとき、その夢の中で巫山の神女と情を交わした   別れるとき神女が朝には雲となり夕には雨となってここに参りましょうと言ったという故事から   
雲雨巫山(うんうふざん)」「巫山之夢(ふざんのゆめ)」「巫山之雨(ふざんのゆめ)」「雲雨之夢(うんうのゆめ)」「朝雲暮雨(ちょううんぼう)」「尤雲殢雨(ゆううんていう)

【楚楚】そそ

飾りけがなく清潔で美しいようす。清らかで可憐(かれん)な様子。
多く若い女性の形容にいう。
「楚楚とした美女」
ここでの「楚」自体に意味はなく、音のイメージを借りた擬態語と考えられる。

【楚腰】そよう

美人の細い腰。柳腰(やなぎごし)
中国、春秋戦国時代、楚の霊王(れいおう)が細腰の美人を愛したので、宮女たちは食事をとらなくなり、飢え死にする者があったという故事から   

楚】ぎょうそ

大勢の中でとびぬけてすぐれていること。また、その人。
「楚」は、特に丈の高い木。
「詩経」周南・漢広の「翹翹錯薪、言刈其楚(翹翹と錯れる薪の、言は其の楚を刈らん)」から。

【苦楚】くそ

苦しみ。苦痛。

【酸楚】さんそ

悲しくつらいこと。

【四面楚歌】しめんそか

周りがすべて敵で、完全に孤立すること。反対者ばかりで、一人も味方や助けがないこと。
漢の高祖(こうそ)が軍中で楚の歌を歌わせたので、包囲された楚の項羽(こうう)は、楚はすでに漢に降伏して自分は孤立したと思い嘆いた故事から   

【辛楚】しんそ

つらさ。つらい苦しみ。

【清楚】せいそ

飾り気がなく、清らかなこと。さっぱりして清らかなこと。
「清楚可憐なアイドル」
清純(せいじゅん)

【痛楚】つうそ

痛み苦しむこと。苦痛。痛苦。

【北轅適楚】ほくえんてきそ

志と行動とが矛盾していること。
(ながえ)」は馬車や牛車の車体の左右両側からでている二本の梶棒(かじぼう)。それを北に向けて北に行くはずが、南の楚へ向かうという意   
南轅北轍(なんえんほくてつ)」「北轍南轅」

《字源》

声符は「疋(しょ)
イバラの類をいい、むち打ちの刑に使ったので「むち」の意になる。
「楚」の甲骨文字。

【≪戻る】【トップページへ戻る】【進む≫】