姿形書換字【纒】
[音] | テン |
[訓] | まとう |
まつわる | |
まとめる | |
まつる | |
まとい |
《意味》
【纏繞】てんじょう
まといつくこと。からまりついて邪魔をすること。
【纏足】てんそく
中国の旧習の一つで、女性の足を大きくしないために、幼いうちから布をかたく巻きつけてその発育を妨げたこと。また、その足。
小さい足が美人の条件とされていた。
【纏頭】てんとう
当座の祝儀として与える金品。はな。チップ。
特に、歌舞・演芸などをした者に褒美として与える金品。被け物。
もと、衣服を与え、受けた者は頭に纏ったという。
「はな」とも読む。
【纏綿】てんめん
【纏頭】はな
「纏頭」に同じ。
芸人などへの祝儀。心付け。
「てんとう」とも読む。
【纏る】まつる
布の端を裏へ折り込んで、折り込んだ布の端に糸を絡げるようにして縫いつける。
布の端のほつれを防ぐために行う。
「袴の裾を纏る」
【纏わる】まつわる
【纏】まとい
【纏う】まとう
まきつける。
巻いて包むようにして、身につける。着る。
「コートを身に纏う」
【纏める】まとめる
【足手纏い】あしでまとい
手足にまとわりつくようにそばにいて、自由な行動の妨げとなること。
【糾纏】きゅうてん
【情緒纏綿】じょうしょてんめん
喜怒哀楽などの感情が深く突き動かされ、離れがたいこと。
情緒が細やかなこと。愛情が深く離れがたいこと。
「情緒」は情愛や情感が深いこと。「纏綿」はからみついてなかなか離れないこと。
「情緒」は慣用的に「じょうちょ」とも読む。
【行纏】はばき
昔、旅行・仕事などの時、脛に巻きつけたもの。脚絆。ゲートル。
「脛巾」とも書く。
【半纏】はんてん
着物の上に羽織って着る衣服。羽織に似ているが、襠や胸ひもがなく、襟を折らずに着る活動的なもの。
「袢纏」とも書く。
【蔓纏】まんてん
蔓草などがからみつくこと。まといつくこと。
《字源》
声符は「廛(てん)」。
「廛」は「广(がん)+量(りょう)の省形」で、「」は「量」の初文に近い形。
「量」は、流し口「曰」のある大きな袋「東」の形で、下に「土」形の重りが付いている。
「廛」は袋の中にものを入れてまとめ、それを建物に収納する形。食糧を一時貯蔵するところをいう。
:左から「東」の甲骨文字と篆書。袋の象形。
:左から「量」の甲骨文字と篆書。
:「廛」の篆書。