【纏】 21画 (15) 準1級

姿形書換字【纒】


[音] テン
[訓] まと
  まつわる
  まとめる
  まつ
  まとい

《意味》

  1. まとう。まつわる。まきつけて締める。また、まつわりつく。
  2. [国訓]まとい。昔、一軍の陣所や消防の一隊の目印とした。
  3. まとめる。

【纏繞】てんじょう

まといつくこと。からまりついて邪魔をすること。

【纏足】てんそく

中国の旧習の一つで、女性の足を大きくしないために、幼いうちから布をかたく巻きつけてその発育を妨げたこと。また、その足。
小さい足が美人の条件とされていた。

【纏頭】てんとう

当座の祝儀として与える金品。はな。チップ。
特に、歌舞・演芸などをした者に褒美として与える金品。(かず)け物。
もと、衣服を与え、受けた者は頭に(まと)ったという。
「はな」とも読む。

【纏綿】てんめん

  1. からみつくこと。まといつくこと。
  2. いろいろな事情が、複雑にいりくむこと。秩序なく入り乱れること。
  3. 心にまつわりついて離れないようす。
  4. 情緒が深く細やかなようす。愛情が深くて離れにくいようす。「情緒纏綿」

【纏頭】はな

纏頭(てんとう)」に同じ。
芸人などへの祝儀。心付け。
「てんとう」とも読む。

【纏る】まつる

布の端を裏へ折り込んで、折り込んだ布の端に糸を(から)げるようにして縫いつける。
布の端のほつれを防ぐために行う。
(はかま)(すそ)を纏る」

【纏わる】まつわる

  1. からみついて離れないでいる。まきつく。「海草が纏わる」
  2. つきまとって離れないでいる。しつこくついてくる。つきまとう。「子どもが足に纏わる」
  3. 付随する。関連する。からむ。関係する。「この本に纏わる裁判」

【纏】まとい

  1. 昔、戦場で大将の所在を示すために陣所の前に立てた武具。
  2. 江戸時代以降、火消しが組の目印として火事場に用いたもの。

【纏う】まとう

まきつける。
巻いて包むようにして、身につける。着る。
「コートを身に纏う」

【纏める】まとめる

  1. ばらばらのものを一つに合わせる。「荷物を一か所に纏める」
  2. 筋道を立てて整理する。「考えを纏める」
  3. 決まりをつける。まるくおさめる。成立させる。「相談を纏める」「交渉を纏める」
  4. 完成させる。「卒論を纏める」

【足手纏い】あしでまとい

手足にまとわりつくようにそばにいて、自由な行動の妨げとなること。

【糾纏】きゅうてん

  1. よりあわせた縄。
  2. よじれてまといつくこと。縄のようにからみ合うこと。

【情緒纏綿】じょうしょてんめん

喜怒哀楽などの感情が深く突き動かされ、離れがたいこと。
情緒が細やかなこと。愛情が深く離れがたいこと。
「情緒」は情愛や情感が深いこと。「纏綿」はからみついてなかなか離れないこと。
「情緒」は慣用的に「じょうちょ」とも読む。

【行纏】はばき

昔、旅行・仕事などの時、(すね)に巻きつけたもの。脚絆。ゲートル。
「脛巾」とも書く。
  1. にしきと、ぬいとりをした織物。また、美しい衣服・織物。
  2. 字句の美しい詩文のたとえ。「錦繡の(はらわた)
  3. 花・紅葉など、美しいながめのたとえ。
    「錦繡で彩られた渓谷」

【半纏】はんてん

着物の上に羽織(はお)って着る衣服。羽織に似ているが、(まち)や胸ひもがなく、(えり)を折らずに着る活動的なもの。
「袢纏」とも書く。

【蔓纏】まんてん

(つる)草などがからみつくこと。まといつくこと。

《字源》

声符は(てん)
「廛」「广(がん)+(りょう)の省形で、「量」の初文に近い形。
「量」は、流し口「曰」のある大きな袋「東」の形で、下に「土」形の重りが付いている。
「廛」は袋の中にものを入れてまとめ、それを建物に収納する形。食糧を一時貯蔵するところをいう。
:左から「東」の甲骨文字と篆書。袋の象形。
:左から「量」の甲骨文字と篆書。
「廛」の篆書。

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