12画 (9) 準1級

減画略字


[音]
[訓] かき

《意味》

  1. かき。土を詰めて固めたへい。ついじ(築地)。土塀のように長く並んださま。
  2. ふさぐ。さえぎる。塀を築いたようにぴったりふさぎとめる。

【堵に安んず】とにやすんず

人民が住居に安心して住む。安心して暮らす。また、安心する。
垣根の内に安んじている意から。
安堵(あんど)

【堵の如し】とのごとし

垣をめぐらしたように、まわりに多くの人が集まることのたとえ。

【堵列】とれつ

横に並んで立つこと。また、その隊列。

堵物】あとぶつ

銭の異名。阿堵。
中国、(しん)・宋時代の俗語で「このもの」の意。晋の王衍(おうえん)が「銭」の語を忌んで代用したという。

【安堵】あんど

  1. 安心すること。心が落ち着くこと。
    「無事を知って安堵した」
  2. 中世・近世に、領主が土地の所有権をみとめること。
    「本領安堵」

【環堵】かんと

  1. 家の周囲のかきね。
  2. 狭い家。

【環堵蕭然】かんとしょうぜん

家が非常に狭くて、みすぼらしいさま。
「環堵」は家の周囲を囲む垣根のこと。または、狭い家のこと。「蕭然」は物寂しいさま。
環堵之室かんとのしつ」「家徒四壁かとしへき

堵蕭然】ぼうとしょうぜん

かやぶきの垣根が物寂しいさま。転じて田舎家。
「茅堵」は茅葺きの垣根。「蕭然」は物寂しいさま。

《字源》

声符は「者(しゃ)
「者」は、祝詞(のりと)を入れた器「曰(えつ)に枝を重ね、土を示す小点を加えた形。
小枝を交え、土をかけた形で、「曰」を土中に埋める意。
「者」「堵」の初文で、集落の周囲にめぐらした土垣。
その「堵」をめぐらせた集落を「都」といい、堵中に埋めた呪符の字を「書」という。
「書」「者」「聿(いつ)(筆)を加えた形。
「堵」に呪符の「書」を書いた「曰」を埋めて外から邪霊が入ってこないようにした。
「者」の金文。
「書」の金文。「者」の上に「聿(いつ)(筆)を加えた形。

《字体》

の部分は、常用漢字の字体と同様に、点を省いた「者」のように書くのが隷書の時代から主流で、手書きの楷書では点をつけたものは歴史的にも皆無。
「堵」も同様で、と書いても問題ない。

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