【之】 3画 丿(2)  準1級


[音]
[訓] これ

《意味》

  1. ゆく。いく。~に至る。
  2. これ。この。
  3. の。主格や修飾の関係を表す助字。

【之】これ

  1. 近称の指示代名詞。話し手にとって近い物事をさし示す言葉。
    「之が私のだ」
  2. 人代名詞的に自分の身内をさす、他称の謙譲語。
    「之が私の母です」
  3. 話や文章の中で、直前に取り上げられた人物や事物をさす言葉。
    「引っ越しの計画をしたが、之は白紙になった」
  4. 提示された主題について、それを改めて主語や目的語として指定する言葉。主題を強調し、また言葉の調子を整える。
    「思想および良心の自由は、之を侵してはならない」
・是」とも書く。

【之繞を掛ける】しんにゅうをかける

程度を一層(はなは)だしくする。大袈裟にする。
「之繞」は漢字の部首の一つで「辶」のこと。
「輪を掛ける」「衣を掛ける」

【之く】ゆく

目的地に向かっていく。おもむく。

【加之】しかのみならず

そればかりでなく。その上。
「情勢は少しも好転しなかった。、加之新たな困難が生じた」

《字源》

足あとの形。「歩」の上半分にあたり、左右の足あとを前後に連ねると「歩」となる。足が前に進むことを示し、行く意となる。
「一」は境界のところ。
:左から「之」の甲骨文字、篆書。足跡の形で、「歩」の上半分に相当する。
「歩」の甲骨文字。

《字体》

初唐標準字体はで、4画で書くのが伝統的な楷書の形。
唐代正字である開成石経の字体も同様だが、2画目と3画目をつなげた形のは宋代ぐらいから徐々に増える。
清代の『康煕字典』にならって、現在ではと書くのが一般的。
「之」を含む「芝」なども同様。

甲骨文字、篆文、隷書、楷書と変化する中で、楷書の形は4画で書くのが理にかなっている。

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