【杯】 8画 (4)  4級

姿形書換字【盃】 9画 (4) 準1級


[音] ハイ
[訓] さかづき

《意味》

  1. さかずき。酒を飲む器。
  2. さかずきに入れたものを数える言葉。
    船、タコ・イカなどを数える言葉。

【杯】さかずき

  1. 酒を注いで飲む小さな器。(ちょこ)
  2. 杯事(さかずきごと)」に同じ。約束を固めるため杯をとりかわして、注がれた酒を飲むこと。固めのさかずき。

【杯酒解怨】はいしゅかいえん

互いに酒を酌み交わすことで、恨みを水に流して仲直りすること。
「杯酒」は(さかずき)()んだ酒。また、酒を飲むこと、杯を酌み交わすこと。
杯酒(はいしゅ)(うら)みを()く」

【杯水車薪】はいすいしゃしん

努力や援助がごくわずかで、何の役にも立たないこと。
「杯水」は杯一ぱいの水。「車薪」は車一台分の薪。
わずか杯一ぱいの水で、燃えている車一台分の薪を救おうとする意から。
「一杯の水を(もっ)て一車薪の火を救うがごとし」の略。

【杯洗】はいせん

酒盛りの席で、さかずきを洗いすすぐための水を入れておく器。

【杯中蛇影】はいちゅうのだえい

何でもないことでも、疑えば神経を悩ますたねになることのたとえ。
杯に映った赤い弓を蛇と勘違いし、蛇を飲んだと思いこんで病気になった男が、あとで弓の影であると説明されるとたちまち治ったという故事から。

【杯盤】はいばん

さかずきと皿。転じて、酒席。

【杯盤藉】はいばんろうぜき

宴席のあとで、食べ残しや杯や皿などがだらしなくあちこちに散らばっているようす。
藉」は取り散らかして収拾が付かないこと。
「杯盤」は「盃盤」とも書く。
落花(らっかろうぜき)

【乾杯】かんぱい

祝福の気持ちをこめて、一斉に(さかずき)をあげたり触れ合わせたりして、酒を飲み干すこと。

【銀盃羽化】ぎんぱいうか

盗難に遭うことのたとえ。
「羽化」は羽が生えて飛び去ること。銀の杯に羽が生えて飛び去ってしまうという意から。
銀盃(ぎんぱい)羽化(うか)す」が書き下し文。

【苦杯】くはい

不快なつらい経験。苦い経験。
苦い飲み物を入れた(さかずき)の意から。
「苦杯を(きっ)する」「苦杯を()める」

【献杯】けんぱい

相手に敬意を表して(さかずき)を相手にさすこと。

【残杯冷ざんぱいれいしゃ

冷遇されて恥辱を受けることのたとえ。
飲み残しの酒と冷えたあぶり物の肉の意。貧しい食事や食べ残しで接待されるような屈辱受けること。
多く「残杯冷炙の辱め」と用いられる。
残杯冷肴(ざんぱいれいこう)」「残羮冷炙(ざんこうれいしゃ)

【賜杯】しはい

天皇や皇族などから試合・競技の勝者に贈られる優勝杯。

【即時一杯】そくじいっぱい

後で大きなものを得るよりも、小さなものを今貰う方がいいということ。
その場で飲む一杯の酒の意。
「即時一杯の酒」の略。

《字源》

声符は「不(ふ)
「不」は花の(がく)の部分が垂れている形で、今はその意に用いない。
実をつけて、ふくらむに従って「・否・咅」という形になる。
「杯」はそのようにふくらみのある飲器をいう。

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