【斧】 8画 (4) 準1級


[音]
[訓] おの

《意味》

  1. おの。太いおの。まさかり。
  2. 切る。おので切る。

【斧】おの

鉄製のくさび形のぶあつい刃に短い柄をつけ、木をたたき切ったり割ったりする道具。
大型のものは「(まさかり)」という。
《斧の柄朽つ》おののえくつ 
ほんの少しの間と思っているうちに、長い年月がたってしまうことのたとえ。
非常に楽しくて夢中になり、時のたつのを忘れることに言う
昔、中国で、王質という木樵(きこり)が森の中で碁を打っている二人の童子を見た。斧をそばに置いて碁の成り行きを見ているうちに、気がつくと斧の柄がくさっていた。驚いて自分の村に帰ってみるとすでに長い年月がたち、知人は皆死んでいたという。
爛柯(らんか)」(斧の()(くさ)る意)
《斧を掲げて淵に入る》おのをかかげてふちにいる
道具の用途を間違えること。また、適材を適所に配しないこと。
斧を持って川の深いところに入っても、何の役にも立たない意から。

【斧鉞】ふえつ

おのと、まさかり。
「この山は斧鉞が入っていない」
《斧鉞を加える》ふえつをくわえる
文章や計画案などに大きな修正を加える。

【斧斤】ふきん

おのと、まさかり。木を伐採する道具。

【斧鑿】ふさく

おのとのみ。また、それを使って細工をすること。
《斧鑿の痕》ふさくのあと
自然のままにしておかずに、人工を加えたあと。特に、詩文などに技巧をこらしたあと。

【斧正】ふせい

人の書いたものに遠慮なく筆を加えて正すこと。
詩文を添削してもらうときにへりくだっていう語。
「斧正を請う」

【斧】よき

小形のおの。ちょうな。

【玉斧を乞う】ぎょくふをこう

自分の詩歌・文章をうまく直してもらうように頼む。添削を願う。
「斧正を請う」

【毫毛斧柯】ごうもうふか

災いは小さいうちに取り除くべきだということ。
「毫毛」は細い毛のことで、芽生え時の小さな木にたとえる。「斧柯」は斧の柄のこと。
芽生えの小さな時に抜き取らないと、やがて斧の柄のように太くなる意から。

【神工鬼斧】しんこうきふ

人間業とは思えないほど優れた細工や作品のこと。
「神工」は神の細工のこと。「鬼斧」は鬼が斧を振るった細工の意。
神業、名人芸のことをいう。

【手斧】ちょうな・ておの

大工道具の一つ。おので荒削りした材木をさらに平らにするのに使う、くわ形の刃物。長さ60㎝ほどの木の柄の一端が内側に曲がり、その先に刃がついている。
「区画を整理する」
「区画」に書き換えられる。

【蟷螂之斧】とうろうのおの

力のないものが、自分の力を考えずに強い相手にたちむかう、はかない抵抗のたとえ。
「蟷螂」はかまきり。
斉の荘公が猟に出ようとした時、かまきりが前足をあげてその車輪にむかってきたという、中国の故事から。
「蟷螂之(えい)」「蟷螂之力」「猿猴(えんこうそくげつ)」「蟷臂当車(とうひとうしゃ)」「竜の(ひげ)(あり)(ねら)う」

【班門斧】はんもんろうふ

身の程知らずの行為。自分の能力の程度をわきまえない恥知らずで厚かましい振る舞い。
「班」は春秋時代の()の名工であった公輸班(こうしゅはん)のこと。城攻めの長いはしご(雲梯(うんてい))を巧みに作ったことで知られる。
名工で知られる彼の門前で斧を振るって工作をする意から。
書き下し文は「班門(はんもん)(おの)(もてあそ)ぶ」

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