【菩】 11画 (8) 準1級


[音]
 
[訓]  
   

《意味》

梵語の音訳に用いられる。

【菩ぼさつ

  1. 仏陀の次の位に位置づけられ、未来に仏になるために、悟りを求め、慈悲の心で衆生を導く大乗仏教の修行者。
  2. 昔、高徳の僧をたたえて付けた尊称。
  3. 神仏習合の思想により、仏になぞらえて日本の神に仏になぞらえて与えられる称号。
    「八幡大菩薩」
梵語「bodhisattva」の音訳「菩提薩埵(ぼだいさった)」の略。

【菩提】ぼだい

  1. 修行を積み、煩悩(ぼんのう)を断ちきって到達する悟り。
  2. 仏果を得て極楽に往生すること。死後の冥福のこと。
梵語「bodhi(=道・覚・知)」の音訳。
《菩提を弔う》ぼだいをとむらう
死者の冥福を祈る。

【菩提寺】ぼだいじ

先祖代々の位牌(いはい)を奉る寺。菩提所。那寺(だんなでら)

【菩提樹】ぼだいじゅ

  1. シナノキ科の落葉高木。
    球形の堅い実を結び、種子で数珠をつくる。寺院の庭などに多く植えられる。
    Wikipediaボダイジュ
  2. シューベルトの歌曲「Der Lindenbaum」の日本語訳。このボダイジュは本種と近縁のリンデンバウム。
    Wikipediaセイヨウボダイジュ
  3. インドボダイジュの別名でクワ科の落葉高木。釈迦がその樹下で悟りを開いたといわれる。
    Wikipediaゴータマ・ブッダの菩提樹

【後生菩提】ごしょうぼだい

来世で極楽に生まれ変わり、悟りを開くこと。
後世菩提(こうせいぼだい)」「極楽往生(ごくらくおうじょう)

【上求菩提】じょうぐぼだい

菩薩がさらなる高みを目指して悟りの道へ向かうこと。
菩薩が取るべき道とされる。
「上求」は上に求めること。「菩提」は煩悩を捨てた智慧と悟りの境地のこと。

【発菩提心】ほつぼだいしん

悟りを求め、さらに一切の衆生(しゅじょう)を救おうとする心(菩提心(ぼだいしん))をおこすこと。
仏門に入って僧になろうと思うこと。

【煩悩菩提】ぼんのうぼだい

仏教の言葉で、煩悩も人間の本性であるから、本来別のものではなく、二つは一体であるという考え方。
また、迷いがあって初めて悟りもあるという意。
「煩悩」は人間を含む衆生を煩わせ悩ませる一切の欲望。「菩提」は悟りきった境地。
煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」の略。

《字源》

声符は「咅(ほう)
「咅」は花の子房が熟してふくらむ意で、物がふくらむ意味がある。
「咅」の篆書。
ちなみに「不」は花のがくの部分が垂れている形。
「不」は受粉して(ひ)、実の形が加わって「否」、実がはちきれるようになって「咅(はい)、それが裂けて「剖(ほう)という。

【≪戻る】【トップページへ戻る】【進む≫】