[音] | ラン |
[訓] | ふじばかま |
あららぎ |
《意味》
【蘭】あららぎ
【蘭草】ふじばかま
キク科の多年草。
「藤袴」とも書く。「蘭草」は漢名から。
Wikipedia「フジバカマ」
【蘭学】らんがく
オランダの学問。特に江戸中期以後、オランダ語によって西洋の学術・文化を研究した学問。
【蘭貢】ラングーン
ヤンゴンの旧称。ミャンマー連邦の旧首都。1989年にラングーンを改称。2005年ネーピードーに遷都。
Wikipedia「ヤンゴン」「外国地名の漢字表記一覧」
【蘭桂騰芳】らんけいとうほう
子孫が繁栄することの例え。
「蘭」はラン、「桂」はカツラの木。ともに香草・香木の類で、「蘭桂」は、君子のすぐれた素質のたとえ、または子孫のことを褒めていう言葉。「騰芳」は匂い立つ、香り立つこと。
蘭や桂が香り立つ意から。
「蘭薫桂馥」
【蘭交】らんこう
ランの香りにも例えられるほどに美しく、親しい交わり。
「金蘭の交わり」「金蘭の契り」「蘭契」
【蘭摧玉折】らんさいぎょくせつ
賢人や美人などが死ぬ例え。その魅力を十分に発揮しないまま、世を去ってゆくこと。
ランの花が折れ、玉が砕け割れる意から。
【蘭芷漸滫】らんしぜんしゅう
優れた人物でも、風紀の悪い場所に住んでつまらぬ者と交際すれば悪に染まってしまうこと。悪友に交われば善人も自ずと悪くなってしまうことの戒め。
「蘭芷」とはフジバカマの根、「滫」とは汚水のこと、「漸」は浸すこと。
香りのよいフジバカマの根も汚水に浸せば臭くなる意から。
「蘭芷滫に漸す」が書き下し文。
「朱に交われば赤くなる」
「芷」は漢検配当外の漢字。
【蘭麝】らんじゃ
ランの花の香りと麝香の香り。転じて、よい香り。
【蘭鋳・蘭虫】らんちゅう
金魚の一品種。体が丸く、腹部が膨らんでいる。背びれがない。頭部に小さな粒状の肉が盛り上がる。
Wikipedia「ランチュウ」
【蘭亭殉葬】らんていじゅんそう
書画や骨董などの収集品を愛好する気持ちの強いことをいう。
「蘭亭」は王羲之の「蘭亭帖」、「殉葬」は死んだ人と一緒に葬ること。
「書断」四の、唐の太宗が、愛蔵していた王羲之の蘭亭帖を、遺言によって陵墓に副葬品として入れさせた故事から。
【蘭塔】らんとう
台座の上の部分が卵形をしている墓石。多く禅僧の墓に用いる。
「卵塔」とも書く。
【盂蘭盆】うらぼん
7月(または8月)15日に祖先の霊をまつり、冥福を祈る行事。
地獄に落ちた亡者の苦しみを取り除くために行う行事。
ヨーロッパ西部にある立憲君主国。ライン川河口部に当たる北海沿岸の低地を占め、国土の四分の一は海面下にある。
「和蘭」「和蘭陀」とも書く。
Wikipedia「オランダ」
【蘇格蘭】スコットランド
イギリス、グレートブリテン島北部およびヘブリディーズ・オークニー・シェトランドの各諸島を占める地方。
Wikipedia「スコットランド」「外国地名の漢字表記一覧」
【金蘭】きんらん
【鈴蘭】すずらん
ユリ科の多年草。20センチ前後にのびた茎の先に、白いつりがね形の小花を並べてつける。
Wikipedia「スズラン」
《字源》
声符は「闌(らん)」で、その声符は「柬(かん)」。
「柬」には「煉・練(練)(れん)」の声がある。
「柬」は袋の上下を固く括り止め、中に物が入っている形。
袋の字形は「東」で、その中に物を入れて選り分ける意。
「闌」は門に渡して出入りを遮る木をいい、金文の形は「間」と「柬」から成り立つ。
:「東」の甲骨文字(金文もほとんど同じ形)。袋の象形文字で「ひがし」の意は仮借。
:「柬」の金文。袋である「東」に物を入れた形。
:「闌」の金文。「間」の上部に「柬」がある。
《字体》
「柬(かん)」と「東(とう)」は字体が異なる。
「柬」を含む漢字の中で、常用漢字や人名用漢字に採用さたものは簡略化のため「東」に置き換えられた。
「練・錬・欄・蘭」など「れん・らん・かん」の声を持つものが「柬(かん)」、「凍・棟」など「とう」の声を持つものが「東(とう)」に従う。
ただし、唐代の楷書で「柬」に従う書き方をされたものはない。隷書の時代から「東」に従う形。
手書きで書く場合は「蘭」と書くほうが一般的。