【梁】 11画 木(7) 準1級
[音] | リョウ |
[訓] | はり |
うつばり | |
はし | |
やな |
《意味》
【梁】うつばり
棟を支えるために水平に渡した木材。
「はり」とも読む。
《梁の塵を動かす》うつばりのちりをうごかす
歌・音楽にすぐれていることのたとえ。
「梁塵を動かす」ともいう。
昔、中国で、魯の虞公という音楽家が歌を歌うと梁の上に積もった塵まで動いたという故事から。
【梁】はし
川などの両岸に支柱を立て、その上に架けたはし。かけはし。橋梁。
【梁】はり
屋根や上階の床の重さを受け支えるために、柱上に渡される横木の総称。
「うつばり」とも読む。
【梁】やな
川魚をとる仕掛けの一種。川の瀬を堰き止め、水が一カ所から落ちるようにし、その下に簀の子をしいて、魚をとるようにしたもの。
「簗」とも書く。
【梁簀】やなす
河川に張り立てて魚を捕らえるための装置で、篠竹を編んで作った簀。
自分の欲望のまま、好き勝手に振る舞うこと。
臣下が権力を握り、我が物顔で振る舞うこと。
「梁冀」は後漢の将軍の名。「跋扈」は好き勝手に振る舞うこと。
後漢の将軍梁冀は、権勢を振るい、幼いながらも聡明な質帝に「跋扈将軍」とあだ名されて、これを恨み、帝を毒殺した故事から。
「跳梁跋扈」「横行跋扈」「飛揚跋扈」
【梁山泊】りょうざんぱく
豪傑や野心家の集まる場所のたとえ。
中国山東省にある梁山に百八人の豪傑が集まったという「水滸伝」の話から。
【梁上君子】りょうじょうのくんし
盗賊。どろぼう。また、転じて、ねずみの称。
「梁上」は天井の梁の上。「君子」は立派な人物。
後漢の陳寔が梁の上に隠れていた泥棒を指して、「人の本性は善良であり、梁の上のあの君子も悪い習慣に染まっただけである」言い、泥棒が改心したという故事から。
【梁塵】りょうじん
《梁塵を動かす》りょうじんをうごかす
「梁の塵を動かす」
【河梁之吟】かりょうのぎん
親しい人を送るときの別れがたい気持ちのこと。
「河梁」は河に架けられた橋。
中国前漢時代、匈奴に捕らわれていた李陵が、同じく捕らわれていた蘇武が中国本土に帰るとき惜別の言葉を送ったという故事から。
「河梁之別」「河梁之誼」
【橋梁】きょうりょう
大規模な橋。
「橋梁工事」
【儒林棟梁】じゅりんのとうりょう
儒学者の世界で責任にある人のこと。儒学を勉強する仲間内での重要な人物。
「儒林」は儒学者の世界、儒学者仲間のこと。「棟梁」は統率者、かしらの意。
【柱梁】ちゅうりょう
はしらとはり。転じて、物事を支えるものとして頼みにするもの。また、頼みにされる人。大黒柱。
【跳梁】ちょうりょう
悪者などがはびこり、勝手気ままに振る舞うこと。
「跳梁」は躍り上がりはね回ること。「跋扈」は思うままにのさばりはびこること。
「横行跋扈」「飛揚跋扈」「梁冀跋扈」
【棟梁】とうりょう
家を支える棟と梁の意から。
【落月屋梁】らくげつおくりょう
友を思う気持ちの深いこと。
「屋梁」は屋根の梁、また屋根の意。
杜甫が、江南に追放された李白を夢にみてつくった詩「夢李白」に基づく。「夜空に落ちかかった月が屋根を照らし、君の顔がそこに照らし出されているような気がする」と詠じた。
「屋梁落月」とも書く。
「空梁月落」
《字源》
声符は「(りよう)」。
「」は「梁」の最初の形。古文の形は川に木の橋を渡す形。