【弄】 7画 (4) 準1級


[音] ロウ
[訓] もてあそ
いじく
いじ
いら
たわむれる
あなど

《意味》

  1. もてあそぶ。いじる。いつまでも手の中に入れて、なぐさみにする。
  2. なぶりものにする。言いくるめる。いつまでもいい気でしゃべる。「愚弄」
  3. ほしいままにする。「翻弄」

【弄る】いじる

  1. さわったり、動かしたりする。もてあそぶ。
  2. 本格的にではなく、趣味でする。遊びでする。何かをすることの謙称としても用いる。
  3. 機構・構造などを必要もないのにちょっと変える。
    「人事を弄る」

【弄る】まさぐる

手先であちらこちらさぐる。また、手でいじりまわす。指先でもてあそぶ。

【弄ぶ】もてあそぶ

  1. 手で持って遊ぶ。いじくる。
    「髪を弄ぶ」
  2. 人をなぐさみものにする。
    「女を弄ぶ」
  3. 思うままにあやつる。
    「他人の運命を弄ぶ」
  4. 慰めるものとして愛好する。
    「盆栽を弄ぶ」
ぶ・ぶ」とも書く。

【弄花】ろうか

  1. 花をもてあそぶこと。
  2. 花がるたで遊ぶこと。花合わせ。

【弄ろうが

女の子がうまれること。
「弄瓦の喜び」
生まれた女の子に瓦(土製の糸巻)を与えて手芸が巧みになるようにと願ったことから。
弄璋(ろうしょう)

【弄ろうがん

もてあそぶこと。玩弄。

【弄璋】ろうしょう

男の子がうまれること。
「弄璋の喜び」
昔、中国では、男の子がうまれると(しょう)をおもちゃとして与えてかわいがり、女の子がうまれると()(素焼きの紡錘車)をおもちゃとして与えたという故事による。
弄瓦(ろうが)

【弄する】ろうする

もてあそぶ。自由勝手に操る。
「策を弄する」

【弄舌】ろうぜつ

よくしゃべること。多言。饒舌(じょうぜつ)

【弄筆】ろうひつ

  1. 筆をもてあそび、不必要に文章を飾ること。
  2. 事実をまげて書くこと。曲筆。

【含飴弄孫】がんいろうそん

老人が気楽に隠居生活をすること。
「含飴」は飴をなめること。「弄孫」は孫と戯れること。

弄】がんろう

おもちゃにし(もてあそ)ぶこと。慰みものにすること。愚弄。
弄」とも書く。

【愚弄】ぐろう

人を馬鹿にして、からかうこと。
「人を愚弄する」

風弄月】しょうふうろうげつ

自然の美しさを褒め称え、その情緒を楽しむこと。自然に囲まれた風流な暮らしを満喫すること。
「嘯風」は歌を口ずさむ、口笛を吹くこと。「弄月」は月を眺めて鑑賞すること。
嘲風弄月(ちょうふうろうげつ)」「吟風弄月(ぎんぷうろうげつ)」(この二つは「嘯風弄月」に似ているが単に「風月を題にして、また風月を見て詩をつくる」意)「悠悠自適(ゆうゆうじてき)

【嘲弄】ちょうろう

馬鹿にしてなぶること。あざけりもてあそぶこと。

【伝観播弄】でんかんはろう

次から次へと人の手に渡してもてあそぶこと。また、そうされること。
「伝観」は次々へと伝え見ること。「播」は広く施す、広く敷く意。

【班門弄はんもんろうふ

身の程知らずの行為。自分の能力の程度をわきまえない恥知らずで厚かましい振る舞い。
「班」は春秋時代の()の名工であった公輸班(こうしゅはん)のこと。城攻めの長いはしご(雲梯(うんてい))を巧みに作ったことで知られる。
名工で知られる彼の門前で斧を振るって工作をする意から。
書き下し文は「班門(はんもん)(おの)(もてあそ)ぶ」

【舞文弄法】ぶぶんろうほう

法を都合のいいように解釈すること。法の条文を曲解して濫用すること。
「舞」も「弄」も、思うように動かす、もてあそぶ意。
「文を舞わし法を(もてあそ)ぶ」が書き下し文。
舞文巧法(ぶぶんこうほう)」「舞文弄墨(ぶぶんろうぼく)

【翻弄】ほんろう

思いのままにもてあそぶこと。
「敵を翻弄する」

《字源》

「王(玉)(きょう)
「廾」は両手。両手で玉を持つ形。

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