【禄】 12画 示(8) 準1級
旧字体【祿】 13画 示(8) 1級
[音] | ロク |
[訓] | さいわい |
ふち |
《意味》
【禄い】さいわい
天からたまわる幸福。神の恵み。
【禄位】ろくい
禄と官位。官吏としての、俸給と位。
【禄高】ろくだか
昔、武士が主人から与えられた給与の額。
「石高」
【禄盗人】ろくぬすびと
それだけの能力や働きがないのに給料をもらっている人を罵っていう語。
月給泥棒。
【禄米】ろくまい
武家時代、俸禄として支給される米。扶持米。
「ろくべい」とも読む。
【回禄】かいろく
火事。火災。
「回禄の難にあう」
中国の火の神の名から。
【貫禄】かんろく
身に備わっている堂々とした威厳。身体・人格などから感じられる人間的重々しさ。
「貫禄がある」
【高禄】こうろく
多額の禄高。高額の給与。大禄。「高禄をはむ」
現代ではややおどけた言い方。
「彼は高禄だから羨ましい」
【光禄池台】こうろくのちだい
立派な邸宅のこと。
「光禄」は中国漢代の高級官僚の役職名の一つ。「池台」は庭の池の畔、または池の中に建てられた高い建物のこと。
前漢の光禄大夫王根の邸宅は立派であったということから。
【秩禄】ちつろく
官位によって賜る俸禄。食禄。扶持。知行。特に、明治政府が士族や華族に与えたもの。
【微禄】びろく
【美禄】びろく
【福禄】ふくろく
【俸禄】ほうろく
職務に対する報酬として与えられる、米または金銭。扶持。給料。
【余禄】よろく
予定外の収入。正規の収入のほかに得られる余分の利益。余得。
「余禄に与る」
《字源》
声符は「彔(ろく)」。
天より与えられる幸福をいう。
「禄」は、金文には「彔」の字を用いるが、「彔」は錐もみ状に刻む形の字だから、その声を仮りたものと思われる。
:「彔」の甲骨文字。錐状の道具で木を刻み、木屑が散る形。
《字体》
唐代から、手書きの楷書では「」の形で書かれてきた。
「緑」「録」「縁」「彙」「篆」「彝」「剝」なども同様で、唐代以降の先人達は、運筆の面やバランスから、「彑」の部分はカタカナの「ヨ」みたいに書いてきた。
常用漢字はそれを採用しており、それに倣って表外漢字もそのように書いて差し支えない。
:康煕字典の形。
:伝統的な楷書の形。
:伝統的な楷書の形。
示偏も、手書きの楷書では「」の形で書くのが、唐代楷書から主流。
「」は人名用漢字のため、新字体として採用された字体であるが、楷書の歴史からは主流の形であり、現在においてもこのように書くのが好ましい。