【倚】 10画 (8) 1級


[音]
[訓]
たの

《意味》

  1. よる。よりかかる。もたれる。
  2. たよりにする。
  3. かたよる。かたむく。
  4. 片足が不自由なこと。かたよっているさま。「踦・畸」に当てた用法。

【倚子】いし

中国伝来の座具。天皇や高官の公卿が使用。座部は四角形で四本の足がつき、鳥居形の背もたれと勾欄(こうらん)形のひじ掛けがあり、敷物を敷いて用いた
「し」は漢音。禅宗渡来以後唐音で「いす」といい、多く「椅子」と書くようになった

【倚藉】いしゃ

頼ること。頼みとすること。よること。

【倚信】いしん

信頼してたよること。

【倚門之望】いもんのぼう

子の帰りを待ちわびる母親の情愛。
「倚門」は家の門に寄りかかること。母親が家の門に寄りかかり、子の帰りを待ち望む意。
中国、春秋時代、衛の王孫賈の母親が、朝早く外出して夜遅く帰る賈を家の門に寄りかかって待ち望み、夕暮れ出かけたときは、村の門に寄りかかって待ったという故事から。
倚閭之望(いりょのぼう)」「倚門倚閭(いもんいりょ)

【倚る】よる

もたれかかる。よりかかる。体をもたせかかる。

【禍福倚伏】かふくいふく

災いと幸いは交互にやってくるということ。
「禍福」は災いと幸い。「倚伏」は災いに幸いの、幸いに災いの元がひそむという意。
禍福糾纆(かふくきゅうぼく)」「禍福相貫(かふくそうかん)」「塞翁之馬(さいおうのうま)」「塞翁失馬(さいおうしつば)

【偏倚】へんい

一方にかたよること。かたより。

《字源》

声符は「奇(き)
「奇」は取っ手のある大きな曲刀の形で、直立しにくいもの。
寄りかかる、もたれかかる、傾く意を持つ。

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