【僭】 14画 (12) 1級

減画略字【僣】


[音] セン
[訓] なぞらえる
おご

《意味》

おごる。身分不相応なことをする。また、そのさま。(おご)り高ぶる。

【僭越】せんえつ

言動が自分の身分や力をわきまえず、出過ぎていること。
自分の行為について言えば謙譲(けんじょう)の気持ちを表す。
「僭越ですが」

【僭主】せんしゅ

  1. 君主の名を僭称(せんしょう)する者。暴力などによって君主となった者。
  2. 古代ギリシャの諸ポリスにみられた非合法的手段で支配者となった者。多く貴族出身で平民の不満を利用し、その支持を得て政権を掌握。アタイラント。「僭主政治」

【僭称】せんしょう

自分の身分を超えた称号を勝手に名乗ること。また、その称号。
「皇帝を僭称する」

【僭賞濫罰】せんしょうらんばつ

適正を欠いた賞罰。みだりに賞罰を与えること。度を超して恩賞を与えたり、人に刑罰を処すること。
「僭賞」は度を超して恩賞を与える。「濫罰」はやたらと罰する。
「濫罰」は「濫刑」ともいう。
信賞必罰(しんしょうひつばつ)

【僭上】せんじょう

身分不相応なまねをすること。身分を越えておごりたかぶること。
「僭上の振る舞い」

【僭用】せんよう

分限を超えて使用すること。

《字源》

声符は(しん)
(しん)=簪(かんざし)+。かんざしを、祝詞を収める器「曰」の上に加えて人を密かに呪詛する意。節度や次序を誤る意になる。
ちなみに「潛」(「潜」の旧字体)は、の密かに実行する意から、水を潜行することをいう。

《字体》

許容字体の「僣」は、常用漢字「潜(潛)」の略し方に併せた略字で、使用例はあまりない。
「替」(「僭」「潜」)の略し方は、「贊」「賛」(「賛」「讃」)の略し方に倣ったものだろうが、後者は伝統的にあるが、前者は少数派。
手書きの楷書ではと書くのが一般的。

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