【彝】 18画 廾(15) 1級
姿形書換字【彜】
[音] | イ |
[訓] | のり |
つね |
《意味》
【彝器】いき
宗廟(先祖のみたまや)に供える重厚な器の総称。
【彝倫】いりん
人としてつねに守るべき道理・倫理。
「彝訓」「彝憲」
【秉彝】へいい
天から与えられた正しい道を守ること。
《字源》
「説文解字」によると、「彖(ぶた)の略体+米+糸+廾(両手)」で、さまざまの物を添えて両手で供えることを示す。転じて、細工をこらしたお供え用の器のこと。また、格式のあるもの、きまりなどの意にも転じた。
「字通」(白川静著)によると、もともと卜文・金文の字形では「彑+米+糸」の部分はニワトリの象形で、ニワトリに「廾(両手)」を加え、羽交い締めにする形。
そのニワトリの血で清めた祭器を彝器といった。
卜文・金文の字形では米・糸を含まず、秦以後に誤った形が定着し字形の解釈が「説文解字」のようになった。
字の覚え方としては「説文」の通りだと覚えやすい。
:「彝」の甲骨文字。ニワトリを下から両手で締める形。
:「彝」の金文。甲骨文字と同様。
:「彝」の篆書。ニワトリの部分がごちゃごちゃしていて、「彑+米+糸」の形になった。
《字体》
唐代から、手書きの楷書では「」の形で書かれてきた(三画目の横画も短く「ヨ」の形で書くことも多い)。
「緑」「録」「禄」「縁」「彙」「篆」なども同様で、唐代以降の先人達は、運筆の面やバランスから、「彑」の部分はカタカナの「ヨ」みたいに書いてきた。
:康煕字典の形。
:伝統的な楷書の形。
:伝統的な楷書の形。