【憖】 16画 (12) 1級


[音] ギン
[訓] なまじ
なまじい
いて

《意味》

なまじ。なまじい。気が進まないのに無理して。しいて。

【憖憖】ぎんぎん

うやまいつつしむさま。つつしみ深いさま。

【憖】なまじ

  1. 中途半端なさま。不徹底なさま。なまじっか。
    「憖の気持ちで医者はできない」「憖知っている人だけに頼みづらい」
  2. あることを仮定して、それをしないほうがむしろよいさまを表す。~するためにかえって。
    「憖情けを掛けたばかりに」
「生強い」の転。「なまじい」とも読む。

《字源》

声符は「猌(ぎん)
「猌」「來+犬」の会意文字。「來」「来」の旧字体で、もとは(むぎ)(麥)の意。犬は犬牲。
これらを供えて祀り祈ることをいう。

《字体》

「来・來」は漢代の隷書の時代にはすでに「来」の形に簡略化されている。
隋・初唐の主流は「来」で、日本の古名跡においても同様。
『開成石経』などにおいて、説文篆文を楷書化した「來」が見え、以降字書類はそれに従うようになるが、手書きの楷書では「来」が主流であり、(真ん中の縦画も運筆の面から最後ははねるべき)と書くのが普通(常用漢字はそれを採用)。
「来・來」を含む漢字も同様で、「憖」と書いて差し支えない。

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