【甕】 18画 瓦(13) 1級
[音] | オウ |
[訓] | かめ |
もたい | |
みか |
《意味》
かめ。みか。酒や水を入れる大がめ。
【甕天】おうてん
かめの中の天地。転じて、狭い世間の意で、見識の狭いたとえ。
【甕牖縄枢】おうゆうじょうすう
貧しく粗末な家のさま。
「牖」は窓。「枢」は扉の軸。壊れた甕の口で窓をつくり、縄で扉をつなげた家の意から。
「蓬戸甕牖」「甕牖桑枢」
【甕裏醯鶏】おうり(の)けいけい
見識が狭く世間知らずのたとえ。
「醯鶏」は糠蚊の一種。酒・酢などを入れた甕の中にわく醯鶏の意。
孔子が老子と会見したのち、顔回に、自分はあの醯鶏のようにつまらぬ者だと語ったという故事から。
「甕裏」は「甕裡」、「醯鶏」は「醯雞」とも書く。
【甕】かめ
【甕】みか
酒を醸すための大きなかめ。もたい。
【甕】もたい
酒を入れる器。
「瓮」
【甕菜】ようさい
ヒルガオ科の蔓性の多年草。日本では一年草。
葉・茎を食用とし、野菜として栽培。あさがおな。エンツァイ。空心菜。
【酒甕】さかがめ
酒を入れて(保存して)おくかめ。
【水甕】みずがめ
水を入れておくかめ。
《字源》
声符は「雍(よう)」。
「雍」にはふくよかな意がある。
「雍」の初文(最初の形)はおそらく「雝(よう)」で、「雍」は「雝」の省略形と思われる。
「雝」は金文の字形では「巛(川)(せん)+吕(宮室の象形)+隹(すい)(鳥)」。
古代、璧雝といわれた聖所・神殿。
水が池・沢となるところに、渡り鳥が決まった季節に従ってやってくることから、祖霊が鳥形霊となって飛来するものと考え、そこに吕(宮)を作って祀った。
水が璧のように四方を囲み、その中島に祀所を建てたものを璧雝という。
「璧雝」は、後に経籍に「璧雍」「辟雍」「辟廱」と書く。
水流が壅がれてできた沼沢を中心に璧雝が作られるので、水流の壅塞することを「壅」という。
:左から「雝」の甲骨文字・金文。