【諫】 16画 (9) 準1級

異体字


[音] カン
[訓] いさめる

《意味》

いさめる。忠告する。人の過ちを正す。意見する。

【諫める】いさめる

あやまちや欠点を改めるように忠告する。忠告する。
目上の人に対して用いる。

【諫言】かんげん

立場の上の人に対して いさめること。また、その言葉。忠言。
「上司に諫言する」
《諫言、耳に逆らう》かんげん、みみにさからう
役に立つ忠告ほど、忠告される者の耳には痛烈に感じられるので、喜ばれないものだということ。
「忠言、耳に逆らう」とも言う。

【諫止】かんし

いさめて そうすることを思いとどまらせること。
非道な行為や無謀な行為などをやめさせるために、いさめること。
「クーデターを諫止する」

【諫死】かんし

死を覚悟して目上の者をいさめること。
また、自ら死ぬことによって目上の者をいさめること。死諫。

【諫臣】かんしん

主君の誤りをいさめる臣下や家来。特に忠誠な者をいう。

【諫争・諫諍】かんそう

いさめ争う。
相手の意に逆らうことになっても、目上の人をいさめること。

【諫臣】かんしん

主君の誤りをいさめる臣下や家来。特に忠誠な者をいう。

【禹立諫鼓】うりつかんこ

広く意見をつのること。反対意見をすすんで聞くこと。
夏王朝の祖とされる禹王は、君主をいさめる者が来たことを知らせる合図の太鼓を朝廷の門外に置かせ、広く意見を求めて政治を行ったという故事から。
()諫鼓(かんこ)()つ」が書き下し文。

【極諫】きょっかん

手強くいさめること。極言していさめること。

【切諫】せっかん

強くいさめること。
言葉・理を尽くして いさめること。

【折檻諫言】せっかんかんげん

仕えている主君に対して、臣下が、厳しくいさめること。
「折檻」は本来は、手すりや欄干(らんかん)が折れて壊れること。「諫言」は目上の人をいさめる言葉。
中国前漢の時代、朱雲(しゅうん)は、成帝(せいてい)奸臣(かんしん)(悪だくみする家来)を斬るように厳しく諫言(かんげん)したが、成帝は聞き入れず、朱雲を連れ去らせようとしたところ、朱雲が手すりにつかまったため、手すりが折れてしまったという故事から。

【忠諫】ちゅうかん

まごころをつくしていさめること。

【直諫】ちょっかん

率直にいさめること。遠慮なく相手の非を指摘して忠告すること。
上司など、相手の地位や権力をおそれず、その誤りを指摘していさめること。
「諷諫」

【犯顔進諫】はんがんしんかん

君主がいやな顔をしても、かまわずに諫言を申し上げること。
(かお)(おか)して(かん)(すす)む」が書き下し文。

【諷諫】ふうかん

遠まわしに言って、いさめること。それとなくいさめること。
「直諫」

《字源》

声符は「柬(かん)
「柬」は袋(「橐(たく))の中に物のある形。
「橐」「東」の初文。
「東」が方角を表す字に専用されるようになり、「ふくろ」の意味を残すために「石(せき)声を加えて、「橐」という字ができた。
「橐」の中に物を入れ、精練し区別することを示す字である。

《字体》

「柬(かん)に従う字は、「練(練)」「錬(鍊)」「諫」「」「爛(爛)」「揀」「」「など「-en」「-an」声をもつ。
一方、「東」に従う字には「凍」「棟」などがあり、「とう」声をもつ。
「柬」に従う字は、唐代楷書から、ほとんどが「東」に略されて書かれてきて、常用漢字や人名用漢字はそれを採用した。
「諫」も同様にと書いても差し支えない。

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