【跋】 12画 (5) 1級


[音] ハツ
バツ
[訓]
  える
つまず
おくがき

《意味》

  1. ふむ。ふみにじる。こ(越)える。乱暴にふるまう。
  2. よろける。足がとられてころびそうになる。つまずく。
  3. 文章の様式の名。書物の終わりに記す文。あとがき。「序」

【跋折羅】ばさら

  1. 金剛(金属中最も硬いもの)また金剛石(ダイヤモンド)のこと。
  2. 金剛杵(こんごうしょ)のこと。古代インドの武器。のち密教で、煩悩を打ち砕く仏の智慧を象徴する法具。独鈷など。
「伐折羅・縛日羅」とも書く。

【跋ばっこ

わがもの顔に振る舞うこと。のさばりはびこること。
「扈」は魚をとる竹簗(たけやな)、「跋」はこえる意で、大魚は扈を飛び越えて逃げ去るという意から。
「悪徳業者が跋扈する」

【跋山渉水】ばつざんしょうすい

長い困難な旅を続けること。
「跋山」は山を踏み越える。「渉水」は川を渡り歩く。山を踏み越えて川を渡る意から。
「山を跋み水を渉る」が書き下し文。
跋渉山川(ばっしょうさんせん)

【跋渉】ばっしょう

山を越え、水を渡ること。いろいろな所を歩き回ること。
「山野を跋渉する」
踏破(とうは)

【跋文】ばつぶん

書物で、本文の終わったあとにしるす文。跋。あとがき。
「序文」

【跋む】ふむ

ふみつける。ふみにじる。乱暴に振る舞う。

【横行跋おうこうばっこ

のさばって勝手気ままに振る舞うこと。
「横行」は勝手気ままに振る舞う意。「跋扈」はのさばりはびこること。
「横行闊歩(かっぽ)」「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」「飛揚跋扈(ひようばっこ)」「専横跋扈(せんおうばっこ)」「跋扈(りょうきばっこ)

【題跋】だいばつ

  1. 題と跋。題辞と跋文。
  2. 跋文。

【跳ちょうりょうばっこ

悪者などがはびこり、勝手気ままに振る舞うこと。
「跳梁」は躍り上がりはね回ること。「跋扈」は思うままにのさばりはびこること。
「横行跋扈」「飛揚跋扈」「跋扈」

りょうきばっこ

自分の欲望のまま、好き勝手に振る舞うこと。
臣下が権力を握り、我が物顔で振る舞うこと。
「梁冀」は後漢の将軍の名。「跋扈」は好き勝手に振る舞うこと。
後漢の将軍梁冀は、権勢を振るい、幼いながらも聡明な質帝に「跋扈将軍」とあだ名されて、これを恨み、帝を毒殺した故事から。
(ちょうりょう)跋扈」「横行跋扈」「飛揚(ひよう)跋扈」

《字源》

(はつ)は犠牲として磔にされた犬の形で、「祓」の最初の形。
古くは犠牲・修祓のために、犬の犠牲を用いることが多かった。
「跋」は足が不自由であることを表す。

《字体》

つくりの部分はに「友」ではなく
常用漢字の「抜」も基本字である旧字体は「拔」である。友とは何の関係もない。
初唐標準字体もに従うが、の形も多い。

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