【鉤】 13画 (5) 準1級

異体字【鈎】


[音]
コウ
[訓] かぎ
つりばり
ける
おびどめ
がる

《意味》

  1. かぎ。物を引っかけたり留めたりする、先の曲がった金属製の道具。
  2. かける。ひっかける。「鉤距」
  3. さぐる。深い所にあるものを、ひっかけるようにしてとりだす。
    また、物事の道理をさぐる。
  4. はり。つりばり

【鉤】かぎ

  1. 先端の曲がった金具。物をひっかけるのに使う。
    「自在鉤に鍋をかける」
  2. かぎ「1」のような形(の物)。
    「鉤鼻」「鉤の手」
  3. 引用文などの上下につける「 」のしるし。かぎかっこ。

【鉤裂き】かぎざき

着物などを釘や物の角などに引っかけて、鉤の形に裂くこと。
また、その裂けめ。

【鉤形・鉤状】かぎなり

鉤のように折れ曲がった形。鉤の手。

【鉤鼻】かぎばな

鼻柱が鉤のように鋭くとがり曲がっている鼻。わしばな。

【鉤樟】くろもじ

クスノキ科の落葉低木。
「鉤樟」は漢名からの誤用。「黒文字」とも書く。

【鉤距】こうきょ

離れた物を鉤でひっかけて引き出す。
つりこんで内情をさぐり出すこと。
「鉤距に()けた刑事だ。」

【鉤索】こうさく

  1. 鉤にひっかけて探り出す。
  2. 物事の道理を探り出す。

【鉤章棘句】こうしょうきょくく

あちこち、ひっかかる文章。読みにくい文章のこと。
奇怪で難解な文章。
「鉤章」は釣り針のように引っかかりのある文章。
「棘句」とげのある句。「棘」はいばら、とげ。
佶屈聱牙(きっくつごうが)

【鉤餌】こうじ

釣り針につけた餌。

【鉤縄規こうじょうきく

物事の法則・規準・手本のこと。
「鉤」は先の曲がった鉤で、曲線を描く道具。
「縄」は墨縄のことで、直線を引く道具。
「規」はコンパスで、円を描く道具。
「矩」はさしがねで、直角を測る道具。
規矩準縄(きくじゅんじょう)

【鉤心闘角】こうしんとうかく

建物が高く並び立ち、びっしりと密集している様子。
また、それぞれが知略をふるって争うことのたとえ。
「鉤心」は車軸で、転じて屋根の中心が集まるところのこと。
「闘角」は角を闘わせることで、とがった屋根の軒先が入り交じって、動物が角を突き合わせて闘っているように見えること。
鉤の形をした屋根が集中し、その屋根の軒先が接して、角を突き合わせて闘っているように見えるという意から。

【鉤素】はりす

釣り針の鉤元(ちもと)に結ぶ釣り糸。
道糸や幹糸より細く、伸びのあるナイロン糸などを用いる。

【隠匿鉤距】いんとくこうきょ

隠れて現れず、陰で人を陥れようとすること。
「隠匿」は隠れて現れないこと。
「鉤距」は内情を探り出すこと。

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