【禱】 19画 示(14) 準1級
交換略字【祷】
[音] | トウ |
[訓] | いのる |
まつる |
《意味》
いのる。いのり。
【禱る】いのる
神仏に訴えて念じる。神仏に加護を願う。
「祈る」とも書く。
【禱祀】とうし
熱心に神仏に祈りまつること。いのり。
【加持祈禱】かじきとう
病気や災難から逃れるために、神仏に祈ること。
「加持」は病気や災難がないように、神の加護を祈る法のこと。「祈禱」は神仏に祈ること。
【祈禱】きとう
宗教上の作法に従って、神仏に祈ること。また、その儀式。
「加持祈禱」
【祝禱】しゅくとう
【黙禱】もくとう
無言のまま心の中で祈ること。
軽く頭を下げた姿勢で行う。
「一分間の黙禱を捧げる」
《字源》
声符は「壽(じゅ)」。
「壽」の初文は「(ちゅう)」。
「」は田の疇(うね)で、祝詞を入れる器「口(さい)」を添えて、豊作を祈る意。
「壽」は、上に「耂(老)」を乗せている。
「耂」は長髪の人の側身形で、その長髪が垂れている形。
「壽」は、一族の長老が田の疇で豊穣を祈る意で、「禱」の初文。
:「老」の甲骨文字。
:「老」の篆書。
:「壽(寿)」の金文。上部は「耂」。下部に「寸(手)」を加える字形もある。
:「壽(寿)」の篆書。
《字体》
示偏は唐代楷書の頃から「」の形で書くのが主流で、唐代正字以外で「」と書かれているものはほとんどない。
「壽」の部分は唐代楷書でもおおむねこの形(実際は「」の形が多数)であるため、「禱・祷」は「」の形で書かれていた。
「寿」の字体は、崩し字である草書体を楷書体化した字体で、常用漢字で採用されている。
日本では江戸時代にはすでに一般的であったようで、『倭楷正訛』(太宰春台)に記載。
『倭楷正訛』
(太宰春台)
唐代楷書の伝統に倣うなら「」の形で書くのが妥当。
ちなみに、台湾の教体は「」を採用。
《コメント》
「壽」の部分は複雑ですが、縦から順に分解して「士のフエは一吋」と覚えましょう。