異体字【繍】
[音] | シュウ |
[訓] | ぬいとり |
にしき | |
うつくしい |
《意味》
【繡衣】しゅうい
刺繡をした美しい衣服。
【繡張】しゅうちょう
縫い取りをした華やかなとばり。
「中宮寺の天寿国曼荼羅繡帳」
【繡腸】しゅうちょう
詩歌・文章の才能が豊かなこと。また、豊かな詩情。
「にしきの心」の意から。
【繡仏】しゅうぶつ
布地に仏像を表した刺繡。縫い仏。
【繡】ぬいとり
布地に色糸などで模様を縫い付けること。また、その模様。刺繡。ぬいさし。
「縫い取り」とも書く。
【繡眼児】めじろ
メジロ科の小鳥の総称。
スズメよりやや小さめで、背面は美しい黄緑色、腹面は淡い黄色。目の周囲に白い縁どりがある。
Wikipedia「メジロ」
「目白」とも書く。
【衣繡夜行】いしゅうやこう
功名を挙げたり出世しても、故郷に錦を飾らなければ誰も知るものがないたとえ。
暗い夜に華やかな刺繡をした服を着て歩く意。
「繡を衣て夜行 く」が書き下し文。
「衣錦夜行」「夜行被繡」
「衣錦還郷」
【錦繡】きんしゅう
【錦心繡口】きんしんしゅうこう
詩文の才能に優れているたとえ。
文才のすぐれた人を称えるときに用いられる。
美しく優れた思いと言葉の意から。
「錦心」は錦のように美しい思いや心のこと。「繡口」は刺繡のように美しい言葉。
「錦心繡腸」「錦繡之腸」「錦繡心肝」
【刺繡】ししゅう
糸を通した針を刺し布に模様や絵を表すこと。縫い取り。
【文繡】ぶんしゅう
美しい綾模様のぬいとり。また、それを施した美しい衣服。
【綾羅錦繡】りょうらきんしゅう
美しい衣服。また、美しく着飾ること。
「綾」は綾絹、「羅」は薄絹、「錦」はにしき、「繡」は刺繡をした織物で、いずれも高貴な人が着る美しい衣服のこと。
《字源》
声符は「肅(粛)(しゅく)」。
「肅」は「聿(いつ)+(規(き)の初形)」。
「聿」は筆を持つ形で、「筆」の初文。
「」は「規」の「夫」に相当する部分で、コンパス。
それがのち「(えん)」の形とされた。
「」は水が回流する形で「淵」の初文なので、「肅」に含まれる「」とは別系統。
「肅」はもともと、筆とコンパスで模様を画く意味。
:「肅」の甲骨文字。
《字体》
「」は行書・草書の字体を楷書体化したもの。
《コメント》
楷書の形。手書きの参考に。
ツクリの書き順が少々難しいです。覚えておけば綺麗に書けるかと思います。