【蟬】 18画 (12) 準1級

交換略字【蝉】


[音] セン
ゼン
[訓] せみ
  うつくしい
つづ

《意味》

  1. せみ。せみ類の総称。
  2. 美しくみやびやかなさま。また、美人。
  3. 声が連なる。また、ことばをつづける。

【蟬】せみ

セミ科の昆虫の総称。夏に成虫となって大きな声で鳴く。土中でその生涯の大半をすごす。幼虫・成虫とも樹液を吸う。
あぶらぜみ・つくつくぼうし・ひぐらしなど種類が多い。
Wikipediaセミ
《蟬は雪を知らず》せみはゆきをしらず
セミの寿命が短いことから、短命なこと。
また、経験が少なく知識が狭いこと。

【蟬時雨】せみしぐれ

たくさんのセミが鳴いているさまを時雨の降る音にたとえていう語。[季]夏。

【蟬せんけん

美しくみやびやかなさま。また、美人。
」とも書く。
状態を表す「漢字の擬態語」。

【蟬せんぜい

  1. セミのぬけがら。うつせみ。
  2. 俗世間から超然としていること。蟬脱。解脱。
    (じんあい)の世を蟬蛻す」

【蟬噪】せんそう

  1. セミがさわがしく鳴くこと。
  2. 多くの人がさわがしく言い立てること。

【蟬噪鳴】せんそうあめい

「蛙鳴蟬噪」

【蟬脱】せんだつ

「蟬蛻②」に同じ。
セミの抜け殻の「蟬蛻」の誤読から生まれた語。

鳴蟬噪】あめいせんそう

  1. やかましくしゃべること。
    カエルやセミがやかましく騒ぎ立てても何の役にも立たない意から。
  2. 内容のないつまらぬ文章や議論。無用の口論についても言う。
    鳴犬(ろめいけんばい)

【空蟬】うつせみ

  1. この世の人。生きている人間。
    また、人間の生きているこの世。現世。世間。
    「うつしおみ(現人)」の転。「うつそみ」とも。「空蟬」は当て字。
  2. セミのぬけ殻。[季]夏。
    また、セミのこと。
    「空蟬」「虚蟬」と表記したところから。

蟬】おしぜみ

鳴かないセミ。雌セミ。[季]夏。

【川蟬】かわせみ

カワセミ科の鳥。大きさはスズメぐらいで、くちばしが長く尾は短い。背は青緑色で、腹が赤く美しい。
川・池などの近くにすみ、魚をとらえて食べる。巣はがけに横穴を掘って作る。
ヒスイ。ショウビン。
Wikipediaカワセミ
」「魚」「魚虎」とも書く。

【寒蟬】かんせん

秋に鳴くセミ。ヒグラシ。[季]秋。
Wikipediaヒグラシ
「かんぜみ」とも読む。

【蟷螂摶蟬】とうろうたんせん

目前の利益に夢中になって、自分の身に迫る危険を顧みないことのたとえ。
カマキリがセミをうって捕らえようと夢中になって、カササギが自分を襲おうとしている危険に気づかない意から。
「蟷螂」はカマキリ。「螳螂」「蟷蜋」「刀螂」「刀蜋」とも書く。
蟷螂(とうろう)蟬を(とら) う」が書き下し文。

【蛍二十日に蟬三日】ほたるはつかにせみみっか

ホタルやセミの盛りが短いこと。盛りの短いことのたとえ。

【鳴蟬潔飢】めいせんけっき

高潔の士はどのようなときにも節操を変えないたとえ。
高潔であることをいう。
セミは高潔な性格なので飢えても汚いものは食べない意。
(かっ)しても盗泉(とうせん)の水を飲まず」「(たか)は飢えても穂を摘まず」「武士は食わねど高楊枝(たかようじ)

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