【梓】 11画 (7)  準1級


[音]
[訓] あずさ
はんぎ
だいく

《意味》

  1. あずさ。木の名。ノウゼンカズラ科の落葉高木。細工に適し、建築木工の材料として重宝される。きささげ。
  2. 大工。木工の職人。「梓匠」。
  3. 版木。また、それで印刷すること。
    昔の書物は梓の木板に字を刻して印刷した。「上梓」「梓行」。

【梓】あずさ

  1. ヨグソミネバリの別称。カバノキ科の落葉高木。暖かい地方の山地に自生する。高さは20メートルほどになる。五月ごろ花を開く。雌雄異株。材で弓を作った。
    Wikipediaアズサ
  2. 「キササゲ」「アカメガシワ」の別名。中国で版木に使った木。
  3. 木版用の版木。「シ」とも読む。
  4. 梓弓(あずさゆみ)」の略。
  5. 梓巫女(あずさみこ)」の略。

【梓に上す】あずさにのぼす・しにのぼす

版木に彫って印刷する。出版する。上梓(じょうし)する。

【梓巫・梓巫女】あずさみこ

梓弓の弦をたたいて神降ろしをし、口寄せをする女性。いちこ。

【梓弓】あずさゆみ

  1. 梓の木で作った丸木の弓。狩りや神事に用いられた。
  2. 「射る」「張る」「引く」「寄る」「(もと)」「(すえ)」「つる」「かえる」「矢」「音」などにかかる枕詞。

【梓行】しこう

書物を出版すること。上梓(じょうし)

【梓匠輪輿ししょうりんよ

大工のこと。
梓人は建具師、匠人は木工職人、輪人は車輪をつくる職人、輿人は車台をつくる職人。

【梓人】しじん

大工の棟梁(とうりょう)や家具職人。

【上梓】じょうし

文字を版木に刻むこと。また、書物を出版すること。
「自叙伝を上梓する」
梓を版木に用いたことから。

【桑梓】そうし

  1. 父母を敬慕すること。祖先や老人をいたわること。
    昔、後の暮らしの助けになるようにと、祖先が家のまわりに植えた桑と梓の木を見て、祖先の恩を感じたことから。
  2. 故郷。郷里。

【玉梓】たまずさ

  1. 手紙・便りの美称。
  2. 料理で、材料を結び文のように結んだもの。
  3. カラスウリの種子。
    形が結び文に似るところから
  4. 使い。使者。
「たまあずさ」の転。古代、使者が手紙を梓の木に結びつけて持参したことから。「玉章」とも書く。

《字源》

声符は「辛(しん)
本字は「榟」

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