【闇】 17画 (9)  2級


[音] アン
[訓] やみ
  くら

《意味》

  1. くらい。光が薄い。
  2. やみ。くらがり。
  3. ひそかに。こっそりと。
  4. 分別がない。おろか。
2010年改訂の常用漢字表にあるのは訓読みの「やみ」だけのため、音読み「アン」に対して「暗」に書き換えられるものがある。

【闇闇】あんあん

  1. 暗いさま。はっきりしないさま。
  2. 表立たないさま。ひそかなさま。
「暗暗」とも書く。

【闇愚】あんぐ

おろか。道理にくらく、おろかなこと。
「暗愚」とも書く。

【闇然】あんぜん

  1. 悲しみ、絶望などで心がふさぐさま。気落ちするさま。
    「闇然として声が出ない」
  2. 暗いさま。黒いさま。また、はっきりしないさま。
「暗然」「黯然」とも書く。

【闇夜】あんや

月や星の見えない、真っ暗な夜。やみ夜。また、その暗さ。
「あんや」は「暗夜」に書き換えられる。
「やみよ」とも読む。

【闇い】くらい

  1. 光が少なくて物が見えにくい。
  2. 知識や知恵が乏しい。
「暗い」とも書く。

【闇】やみ

  1. 暗い、または光が全くささない状態や場所。「夜の闇」
  2. 思慮分別がないこと。道理をわきまえないこと。「心の闇」
  3. 前途に何の希望も持てないこと。「前途は闇だ」「一寸先は闇」
  4. 秘密裏。人に知られない状態。「闇に葬る」
  5. 「闇取引」の略。正規の手続きを経ない取引。「闇で手に入れた品物」
  6. 「闇相場」の略。公定の相場があるとき、これ以外にひそかに作られた相場。
「闇」を用いた故事・ことわざ

【闇討ち】やみうち 

  1. 暗やみにまぎれて、人をおそうこと。「闇討ちをかける」
    夜襲(やしゅう)
  2. 不意をついて人を驚かすこと。不意討ち。

【闇雲】やみくも 

思慮分別のないようす。無闇(むやみ)。やたら。

【闇路】やみじ 

  1. 闇夜の暗い道。「闇路をたどる」
  2. 心が迷い思慮分別のつかない状態。「心の闇路」
  3. あの世。冥土(めいど)。また、冥土に続く道。

【闇値】やみね 

闇取引の値段。闇相場。

【闇闇】やみやみ 

なす所もなく、みすみす。むざむざ。

【闇夜】やみよ

月や星の見えない、真っ暗な夜。やみ夜。また、その暗さ。
「あんや」とも読む。
闇夜(やみよ)」を用いた故事・ことわざ

【暁闇】ぎょうあん 

明けがたの薄暗い時。
「あかつきやみ」「あかときやみ」とも読む。

【暗闇】くらやみ 

  1. まったく光がなく、暗いこと。また、その所。くらがり。
  2. 人目につかないところ。人の知らないところ。「暗闇に葬り去る」
  3. 見通しがたたず、将来に希望の持てないこと。
「暗闇」を用いた故事・ことわざ

【木の下闇】このしたやみ 

木が茂って、その下が暗くなっていること。また、暗くなっているところ。木下闇(こしたやみ)

【昏闇】こんあん 

  1. 暗い。
  2. 愚かなこと。暗愚。昏愚。
「昏暗」とも書く。

【無闇】みやみ 

  1. あとさきを考えないで理不尽に物事を行うこと。「無闇な行動はしない」
  2. 物事が度を越していること。むしょう。ひどい。「無闇に金がかかる」
「無暗」とも書く。

【無闇矢鱈】みやみやたら 

「無闇」を強めた語。

【夕闇】ゆうやみ

夕方、月が出ず暗いこと。夕方の暗さ。「夕闇が迫る」

【宵闇】よいやみ

  1. 陰暦16日ごろから20日ごろまでの、月の出るのが遅く、宵の間が暗いこと。また、そのころ。
  2. 宵のころのやみ。夕やみ。

闇】りょうあん

天子・天皇がその父母の死に対し服する喪の期間。
期間は一年間で、臣下も服喪した。ろうあん。みものおもい(御物思)。
「まことに(くら)い」の意から。
闇・陰・諒陰」とも書く。

《字源》

声符は「音(おん)
「音」は言(祝詞(のりと))が音を発する意で、神の「音なひ」を示す。門は門。祭祀は夜行われ、廟門に祝詞をおいて、神の訪れを待った。
「問」において、門の前にあるのは祝詞を納めた(さい)で、祈って神意を問う意味。
に、盟約の誓いを表す入れ墨用の針である「辛」を添えた字が「言」
神からの応えがあると、の中に「一」が加わりとなり、「音」になる。
神はその音で神の訪れを示した。器の自鳴を示す意である。
「問」に対する神の応答が「闇」である。
「辛」の甲骨文字。
「言」の甲骨文字。
「音」の金文。「言」「曰(えつ)に変えた字。

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