【闇】 17画 門(9) 2級
[音] | アン |
[訓] | やみ |
くらい |
《意味》
2010年改訂の常用漢字表にあるのは訓読みの「やみ」だけのため、音読み「アン」に対して「暗」に書き換えられるものがある。
【闇闇】あんあん
「暗暗」とも書く。
【闇愚】あんぐ
おろか。道理にくらく、おろかなこと。
「暗愚」とも書く。
【闇然】あんぜん
「暗然」「黯然」とも書く。
【闇夜】あんや
月や星の見えない、真っ暗な夜。やみ夜。また、その暗さ。
「あんや」は「暗夜」に書き換えられる。
「やみよ」とも読む。
【闇い】くらい
「暗い」とも書く。
【闇】やみ
「闇」を用いた故事・ことわざ
【闇討ち】やみうち
【闇雲】やみくも
思慮分別のないようす。無闇。やたら。
【闇路】やみじ
【闇値】やみね
闇取引の値段。闇相場。
【闇闇】やみやみ
なす所もなく、みすみす。むざむざ。
月や星の見えない、真っ暗な夜。やみ夜。また、その暗さ。
「あんや」とも読む。
「闇夜」を用いた故事・ことわざ
【暁闇】ぎょうあん
明けがたの薄暗い時。
「あかつきやみ」「あかときやみ」とも読む。
「暗闇」を用いた故事・ことわざ
【木の下闇】このしたやみ
木が茂って、その下が暗くなっていること。また、暗くなっているところ。木下闇。
【昏闇】こんあん
「昏暗」とも書く。
【無闇】みやみ
「無暗」とも書く。
【無闇矢鱈】みやみやたら
「無闇」を強めた語。
【夕闇】ゆうやみ
夕方、月が出ず暗いこと。夕方の暗さ。「夕闇が迫る」
【宵闇】よいやみ
【諒闇】りょうあん
天子・天皇がその父母の死に対し服する喪の期間。
期間は一年間で、臣下も服喪した。ろうあん。みものおもい(御物思)。
「まことに闇い」の意から。
「亮闇・亮陰・諒陰」とも書く。
《字源》
声符は「音(おん)」。
「音」は言(祝詞)が音を発する意で、神の「音なひ」を示す。門は廟門。祭祀は夜行われ、廟門に祝詞をおいて、神の訪れを待った。
「問」において、門の前にあるのは祝詞を納めた「(さい)」で、祈って神意を問う意味。
「」に、盟約の誓いを表す入れ墨用の針である「辛」を添えた字が「言」。
神からの応えがあると、「」の中に「一」が加わりとなり、「音」になる。
神はその音で神の訪れを示した。器の自鳴を示す意である。
「問」に対する神の応答が「闇」である。
:「辛」の甲骨文字。
:「言」の甲骨文字。
:「音」の金文。「言」の「」を「曰(えつ)」に変えた字。