13画 (10) 準1級

同字


[音] イツ
[訓] あふれる
ぎる
  おご
  ちる
  こぼれる

《意味》

  1. あふれる。水が器にみちて外にこぼれでる。
  2. すぎる。程度がすぎる。
  3. みちる。

【溢れる】あふれる

いっぱいになってこぼれる。入りきれないで外に出る。

【溢蚊】あぶれか

最盛期を過ぎて元気のなくなったカ。
「残る蚊・後れ蚊」ともいう。

【溢決】いっけつ

川などの水があふれ、堤が決壊すること。

【溢血】いっけつ

体の組織内や、皮膚・粘膜などに起こる比較的小さな出血。また、その血。
「脳溢血」

【溢水】いっすい

水があふれること。水をあふれさせること。

【溢美】いつび

  1. 非常に美しいさま。
  2. ほめすぎること。
溢悪(いつあく)

【溢泌】いっぴつ

植物の枝や幹などを切断すると、その傷口から多量の水液が出てくる現象。ブドウ・ミズキなどにみられる。出液。

【溢利】いつり

余分の利益。利益を取りすぎていること。

【溢れる】こぼれる

  1. 液体が容器から出て外へ落ちる。また、中に入っているべきものが外に出る。
    「水が溢れる」
  2. 抑え切れなくて、外に表れる。
    「涙が溢れる」
  3. 普通は何かにおおわれて見えないものが、ちらりと見える。
    「白い歯が溢れる」

【溢ちる】みちる

あふれるほどいっぱいになる。空間に物が詰まる。

【横溢】おういつ

精神力などがいっぱいにみなぎること。あふれ流れるほど盛んなこと。
「気力横溢」
「汪溢」とも書く。

【充溢】じゅういつ

満ちあふれること。
「気力が充溢する」

【漲溢】ちょういつ

みなぎりあふれること。

【目溢し】めこぼし

見落とすこと。また、とがめずに見て見ないふりをして過ぎること。大目に見ること。黙認。
「お目溢しを願う」

《字源》

声符は「益(えき)「益」「水+皿」で、器から水があふれるさまを表す。
「溢」は水があふれることを表す字。
「搤」「縊」「益」を含むが、この「益」は糸の末端を(くく)る形。

《字体》

唐代の楷書では、すべての形で書かれてきた。
手書きの楷書ではと書くのが一般的。

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