4画 (0)  2級

同字


[音]
 
[訓] きば
 
  さいとり

《意味》

  1. きば。上と下とがかみあう犬歯。糸切り歯。また、転じて、犬歯から後方にある奥歯のこと。
  2. は(歯)。
  3. 天子や将軍の旗。また、その旗の立っている陣営。
  4. さいとり。売買の仲介をして手数料を取ること。また、それを職業とする人。ブローカー。

【牙行】がこう

中国で、商取引の仲介をし、売り手と買い手とを結び付けて商談をまとめる仲買業者。またはそのギルド。五代・宋・明・清に発達。

【牙城】がじょう 

  1. 大将などがいる城の中心。本丸。
  2. ある大きな組織などの中心になっている所。本拠。

【牙籌】がちゅう

  1. 昔、中国で計算に用いた象牙製の数とり。
  2. そろばん。また、計算。
    「牙籌を執る(=収支計算する)」

【牙保】がほ

  1. 仲買い。周旋。
  2. 盗品などの売買など、有償での処分を斡旋すること。
    「牙保罪」

【牙虫】がむし

水生の甲虫。体長33ミリメートル内外。草食性で、夏の池沼にみられる。日本各地と朝鮮・中国に分布。
Wikipediaガムシ

【牙床】くれどこ

古代、中国の腰掛けをまねして作った椅子。
「呉床」とも書く。

【牙舎利】げしゃり

仏の遺骨である舎利のうち、歯の部分。

【牙彫】げちょう

動物の牙、特に象牙を材料とする彫刻。
「げぼり」とも読む。

【牙婆】すあい

物品売買の仲介を業とする者。また、その仲介料。才取(さいとり)。すわい。
「数間」とも書く。

【含牙戴角】がんがたいかく

(きば)や角を持つ獣。
(きば)を含み角を(いただ)く」が書き下し文。
前爪後距(ぜんそうこうきょ)

【佶屈聱牙】きっくつごうが

文章が難しくて、理解しにくいこと。頭が固く、小難しいことをいうさま。
「佶屈」は堅苦しくてごつごつしていること、「聱牙」は言葉が耳に入らないこと。
「佶屈」は「詰屈」とも書く。
「詰」「聱」は漢検配当外の漢字。

【犬牙相制】けんがそうせい

国境が複雑に入り組んだ国同士が互いに牽制しあうこと。
「犬牙相制(あいせい)す」が書き下し文。
犬牙相錯(けんがそうさく)

【高牙大こうがだいとう

将軍の陣営のしるし。
「高牙」は象牙の飾りのついた高い旗で、軍隊の本陣のしるし。「大纛」は牛の尾やキジの羽などで飾った大きな旗のことで、貴人の車にたてたり、軍隊の本陣にたてた。

【聱牙】ごうが

文章の字句や言いまわしがむずかしくて理解できないこと。
「聱」は漢検配当外の漢字。

【槎牙】さが

木の枝を()いだようにかどだって入りくむ(ごつごつする)さま。
木の枝や石が、角ばってひっかかるさま。

【歯牙】しが

歯ときば。また、歯。
「歯牙にもかけない(=無視して問題にしない)」

【爪牙】そうが

  1. つめときば。相手を攻撃したり害を与えたりする武器・手段など。
    「爪牙にかかる」
  2. 主君を守る家来。頼りとなる家来。(ほひつ)の臣。そうげ。
    「爪牙の臣」

【象牙】ぞうげ

ゾウのきば。二本の門歯ののびたもので、上あごにある。淡黄白色でかたく、きめが細かくて美しいので、いろいろの細工物に使われる。

牙】ちょき

猪牙舟(ちょきぶね)」の略。和船の一つ。江戸時代、市中の水路で大量に使われた屋根がなく細長い舟。船足が速い。吉原の遊び客の足として盛んに用いられた。

【毒牙】どくが

  1. 毒液を出すきば。毒蛇などにある。
  2. 悪辣(あくらつ)な手段。よこしまなたくらみ。毒手。
    「毒牙にかかる」

【伯牙絶絃】はくがぜつげん

心からの友人を失った悲しみ。
「伯牙」は人の名。「絶絃」は琴の弦を切ること
「絶絃」は「絶弦」とも書く。
春秋時代の琴の名人、伯牙が自分の琴を理解してくれていた鍾子期(しょうしき)が死ぬと、琴の糸を切って二度と琴をひこうとしなかった故事から。

【葡牙】ポルトガル

ヨーロッパ南西端部、大西洋に臨む共和国。
Wikipediaポルトガル」「国名の漢字表記一覧

《字源》

キバの上下がお互い交わる形。
「牙」の金文。

《字体》

手書きの楷書ではと5画で書くのが一般的。

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