【蓋】 13画 (10)  2級

異体字【葢】


[音] ガイ
コウ
[訓] ふた
おお
  おお
けだ
かさ

《意味》

  1. おおう。かぶせて上からふたをする。また、かぶせて隠す。
  2. ふた。かさ。上からかぶせてさえぎるおおい・ふた。また、草ぶきの屋根。
  3. けだし。思うに。考えてみると。

【蓋う】おおう

上からふたをするように、おおいかぶせる。
「覆う・被う・蔽う・う」とも書く。

【蓋がいがきゅうせん

屋根の瓦と階段の敷き瓦のこと。
「級」は階段、きざはしのこと。「甎」は敷き瓦の意。

【蓋棺】がいかん

棺にふたをすること。人の死んだことにいう。

【蓋棺事定】がいかんじてい

死んでから初めてその人物の評価が定まるということ。
また、生前の評価は当てにならないこと。

【蓋世】がいせい

世をおおいつくすほど意気が盛んであること。
「蓋世の気」
抜山蓋世(ばつざんがいせい)
《蓋世の才》がいせいのさい
意気盛んで世の中を圧倒するほどの才能・才知。

【蓋然性】がいぜんせい

事象が実現されるか否か、またはその知識の確実性の度合。確からしさ。数学では確率と呼ぶ。プロバビリティー。
「可能性」

【蓋天蓋地】がいてんがいち

仏の教えがすべての世界に広く隅々まで行き渡ること。

【蓋】かさ

上からかぶせるおおい。ふた。また、体や屋根などにかぶせる草で編んだおおい。とま。

【蓋】きぬがさ

絹を張った柄の長い傘。古く、貴人の外出の際、後ろからさしかけるのに用いた。
「衣笠・絹傘」とも書く。

【蓋し】けだし

  1. 考えてみるのに。思うに。おそらく。多分。
    次に述べることはかなり確かであろうと推定・想像して言うときに使う語。
    「蓋し至言である」
  2. もしかしたら。あるいは。もし。万一。
    疑いながら推量するときに使う語。

【蓋】ふた

  1. 入れ物の口など、穴のあいている部分にあてがって、上からおおうもの。
    「臭いものには蓋をせよ」「身も蓋もない」
  2. 巻貝類の口をおおう甲。
    「サザエの蓋」

蓋】えんがい

  1. 物の上にかぶせるおおい。「雨よけの掩蓋」
  2. 敵弾を防ぐために塹壕の上に設ける木材・石材などのおおい。「掩蓋塹壕」

【瘡蓋】かさぶた

皮膚にできた傷口がかわいて、その上にできる固い皮。新しい皮膚ができるとはがれる。
車を止め、車のきぬがさを傾けて語る意から「痂」とも書く。

【九蓋草】くがいそう

ゴマノハグサ科の多年草。山地の湿った林に自生する。
植物園へようこそ!クガイソウ

【傾蓋】けいがい

ちょっと面会すること。また、ちょっと会っただけで親しくなること。
車を止め、車のきぬがさを傾けて語る意から。
孔子と程子が路上で初めて会い、車のほろを傾けて親しく語り合ったという故事から。
「傾蓋知己」

【傾蓋知己】けいがいのちき

ちょっと会っただけで古くからの友人のように親しくするようす。また、そのような仲。
孔子と程子が路上で初めて会い、車のほろを傾けて親しく語り合ったという故事から。
程孔(ていこう)傾蓋」

【口蓋】こうがい

口の中の上側の部分。
「口蓋に口内炎が出来て食べにくい」

【口蓋垂】こうがいすい

のどの上部、軟口蓋の中央からたれ下がるやわらかい突起。のどちんこ。

【膝蓋】しつがい

ひざがしら。

蓋】すいがい

みどり色のかさ。葉の茂った木の枝をたとえていう。
「松の翠蓋が日よけになる」

【頭蓋】ずがい・とうがい

脊椎動物の頭部を形づくる骨格。頭の骨。頭蓋骨。

【抜山蓋世】ばつざんがいせい

非常に意気さかんで勇壮なこと。
山を引き抜くほどの力と、世をおおいつくすほどの気力の意。
「蓋世」

【火蓋を切る】ひぶたをきる

戦いを開始する。戦端を開く。
「火蓋」は火縄銃の火ざらの火口をおおうふたで。火蓋をあけ発火の用意をする意から。

【方底円蓋】ほうていえんがい

物事が食い違うこと。絶対に合うことがないこと。
四角い底の容器に丸い蓋は合わない意。
円孔方木(えんこうほうぼく)」「円鑿方枘(えんさくほうぜい)

蓋】わろうだ

わら・スゲ・などで(ひも)を編み、渦巻状に組んだ円い敷物。
「円座」とも書く。

《字源》

声符は「盍(こう)
「盍は入れ物に蓋をする形。
「去」の上部が蓋のつまみに相当する。

《字体》

初唐標準字体はで、隷書の時代より長く書かれてきた字体。「蓋」で書かれた字体はほとんど見当たらない。
『康煕字典』には俗字とあるが、『康煕字典』の序文「御製康熙字典序」にも書かれている字体である。
:『康煕字典』には「皿」の部にあり、「蓋」の俗字とある。
:『康煕字典』の序文「御製康熙字典序」にある「蓋」

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