【荊】 9画 (6) 準1級


[音] ケイ
[訓] いばら
むち

《意味》

  1. いばら。木の名。
  2. にんじんぼく。クマツヅラ科の落葉低木。
  3. しもと。むち。

【荊】いばら

  1. バラ・カラタチなど、とげのある低木の総称。うばら。
  2. 植物のとげ。
  3. 苦しみの多いことのたとえ。「荊の人生」
「茨・棘」とも書く。

【荊棘】おどろ

  1. 髪などが乱れてもつれているさま。
  2. 草木が乱れ茂っている所。やぶ。また、乱れ茂っている草木。
「棘」とも書く。

【荊けいがい

シソ科の一年草。発汗・解熱・止血などの薬とする。

【荊冠】けいかん

いばらの冠。
キリストが(はりつけ)になったときかぶらされたもので、受難のたとえにも用いる。

【荊棘】けいきょく

  1. いばら。ばら。また、いばらがはえて、荒れた土地。
  2. 乱れて騒然とした状態。障害になるもの。また、障害などの多い状態。
  3. 人に害を与えようとする悪い心。また、その人。

【荊棘裏】けいきょくそうり

乱臣や悪臣のたとえ。
「荊棘」はイバラなど、(とげ)のある低木。「叢裏」は草むらの中のこと。
イバラがうっそうと茂った草むらの中の意。

【荊棘銅駝】けいきょくどうだ

国の滅亡を嘆くことのたとえ。荒れ果てる事のたとえ
宮殿が破壊され尽くし、銅製の駱駝(らくだ)がイバラの中にうち捨てられているのを嘆く意。

【荊妻】けいさい

自分の妻を(へりくだ)っていう語。愚妻(ぐさい)
後漢、梁鴻(りょうこう)の妻、孟光(もうこう)が節約のためイバラのかんざしを挿した故事から。

【荊妻豚児】けいさいとんじ

自分の妻と息子のことを謙遜(けんそん)していう語。
「荊妻」はイバラのかんざしを挿した妻のこと。「豚児」はブタの子の意。
愚妻愚息(ぐさいぐそく)

【荊釵布裙】けいさいふくん

粗末な服装のたとえ。女性の慎ましさにいう。
「荊釵」はイバラのかんざし。「布裙」は布の裳裾(もすそ)の意。
後漢、梁鴻(りょうこう)の妻、孟光(もうこう)が節約のためイバラのかんざしを挿し、麻布の裳裾を身につけていたという故事から。

【荊山之玉】けいざんのぎょく

優秀で賢い人のこと。
「荊山」は中国の湖北省にある山で、そこから出る宝玉の意。

【肉袒負荊】にくたんふけい

真心からの謝罪のたとえ。深く謝罪すること。
上半身の肌をあらわし、むちうちの刑に用いる荊(にんじんぼく)の(つえ)を背負い、謝罪の意を表すことから。
「袒」は肌脱ぐ意。
肉袒(にくたん)して(けい)を負う」が書き下し文。
肉袒廉(にくたんれんぱ)」「負荊(れんぱふけい)

【紫荊】はなずおう

マメ科の落葉低木。
「花芳」とも書く。

荊】はまごう

クマツヅラ科の落葉低木。海岸の砂地に自生。果実は球形で漢方で蔓荊子(まんけいし)といい鎮痛・強壮剤などとする。ハマツバキ。
Wikipediaハマゴウ
「浜栲」とも書く。

【班荊道故】はんけいどうこ

昔の友達とばったり会って昔の親交を思い、語り合うこと。
「班荊」はイバラを敷く意で、転じて、昔の友人にばったり会うこと。「道故」は事を言うこと。
春秋時代、()伍挙(ごきょ)(しん)に行こうとして道で友人の声子(せいし)と会い、地にイバラをしいて故郷の()に帰ることを相談したことから。

【披荊斬棘】ひけいざんきょく

困難を克服し前進すること。
「披」は切り開く。「荊」「棘」はイバラで困難のたとえ。
(いばら)(ひら)(いばら)()る」が書き下し文。

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