同字【】
[音] | セン |
[訓] | あおる |
おだてる | |
おこる | |
あおり |
《意味》
あおる。人の気持ちをあおりたてる。おだてる。そそのかす。
「扇」に書き換えられるものがある。
【煽ぐ】あおぐ
うちわやおうぎで風をおこす。風を送って火の勢いを強める。あおる。
【煽り】あおり
《煽りを食う》あおりをくう
側にいたため、または近い関係にあったため、思わぬ災難や影響をうける。あおりを食らう。
「大型店舗出店の煽りを食って商店街の客が激減した」
《煽り立てる》あおりたてる
「煽る」を強く言う語。特に、さかんに煽動する。
《煽り付ける》あおりつける
盛んにおだてる。おだてあげる。
「酒などを続けて勢いよく飲み干す」意では「呷り付ける」と書く。
【煽る】あおる
「酒などをあおる」場合は「呷る」と書く。
【煽てと畚には乗るな】おだてともっこにはのるな
人のおだてには乗りやすいので注意せよという戒め。
「畚」は土や肥料などを担いで運ぶ縄で編んだ道具。江戸時代、死刑囚を運ぶのに使われた。
【煽てる】おだてる
相手の気にいるようなことを言って、いい気持ちにさせる。ある物事をさせる目的で、お世辞を言う。
「煽てておごらせる」
【煽起】せんき
扇動して行動を起こさせること。
「扇起」とも書く。
【煽情】せんじょう
ある感情・欲望をあおりたてること。とくに、劣情を刺激すること。
「扇情」に書き換えられる。
【煽動】せんどう
感情に訴えてあることを行うように唆すこと。おだてあげ、あおりたてること。アジテーション。
「扇動」に書き換えられる。
【煽惑】せんわく
おだてて惑わす。
「人心を煽惑する」
「扇惑」とも書く。
《字体》
「扇」の部分は、唐代楷書から「扇」で書かれていて、「」で書かれた例はない。「」は清代の正字の字書「康煕字典」で見られる字体(康煕字典体)で、手書きの楷書では「扇」と書いて差し支えない。
「煽」も同様で、「」と書いて差し支えない。