【泥】 8画 (5)  2級


[音] デイ
[訓] どろ
なず

《意味》

  1. どろ。水気があってねちねちとくっつく土。また、ぬかるみ。また、どろ状をした物。
  2. どろのようにねちねちしたさま。「泥酔」
  3. なずむ。ねちねちとくっついて動きがとれないようになる。こだわる。「拘泥」

【泥鴨】あひる

あひる。カモ目カモ科の水鳥。マガモを改良した飼い鳥。
「家鴨・鶩」とも書く。
Wikipediaアヒル   

【泥鰍】うなぎ

うなぎ。ウナギ目の魚。
「鰻」とも書く。
Wikipediaウナギ   

【泥湖菜】きつねあざみ

キク科の越年草。路傍・田などに生える。
「狐薊」とも書く。
Wikipediaキツネザミ   

【泥亀】すっぽん

すっぽん。スッポン科の淡水性のカメの総称。
「鼈」とも書く。
Wikipediaスッポン   

【泥車狗】でいしゃがこう

役に立たないもののたとえ。
泥で作った車や瓦で作った犬の意。
土牛木馬(どぎゅうもくば)」「陶犬(とうけんがけい)

【泥酔】でいすい

意識がなくなるほどに、ひどく酒に酔うこと。深酔い。
「泥酔して昨晩のことは覚えていない」

【泥船渡河】でいせんとか

人生行路の危険なことのたとえ。
泥で作った船で川を渡る意。
「泥船に乗りて河を渡る」の略。

【泥塑】でいそ

粘土でかたどった素焼きされていない像・人形。

【泥中の蓮】でいちゅうのはす

周囲の汚れに染まらず、心の清らかさや美しさを保って正しく生きるたとえ。
泥沼の中で清らかに咲く蓮の花の意から。

【泥団】でいだん

  1. 無価値なもの。無意味なもの。
  2. 理屈。理屈でしかない考え。
    「泥団を(ろう)する」
  3. 煩悩。現世の欲望。俗人の肉体。
  4. 地球のたとえ。

【泥塗】でいと

泥まみれになること。また、ぬかるみ。どろみち。

【泥土】でいど

  1. どろどろの土。どろ。
  2. 値うちのないもの。つまらないもの。

【泥濘】でいねい

ぬかるみ。
「ぬかるみ」とも読む。

【泥裏に土塊を洗う】でいりにどかいをあらう

無駄な骨折り、無意味な行為をすることや、訳の分からないことをしていることのたとえ。
「泥裏」は泥の中の意。泥の中で土のかたまりを洗う。

【泥鰌】どじょう

どじょう。コイ目ドジョウ科の淡水魚。
「鰌」とも書く。
Wikipediaドジョウ   

【泥縄】どろなわ

事がおこってからあわてて対策を立てること。
「泥縄式の勉強では合格できない」
「泥棒を捕らえてから縄を()う」の略。

【泥棒・泥坊】どろぼう

人のものをぬすみとること。ぬすみ。また、その人。
《泥棒を捕らえて縄を綯う》どろぼうをとらえてなわをなう
事が起こってから、あわてて対策を立てることのたとえ。
略して「泥縄」ともいう。
「敵を見て矢を()ぐ」

【泥塗れ】どろまみれ

  1. 泥だらけになること。
    「農作業で泥塗れになる」
  2. 苦難の多い状態。
    「泥塗れの恋愛」

【泥・泥犂】ないり

地獄。奈落。

【泥む】なずむ

  1. はかばかしく進まない状態である。とどまったまま変化しないでいる。とどこおる。
    「暮れ泥む春の空」
  2. こだわる。拘泥する。執着。
    「古い慣習に泥む」
  3. なれ親しむ。また、一つに調和する。なじむ。
    「都会生活に泥まない」
「滞む」とも書く。

【泥濘】ぬかるみ

ぬかっている所。どろ深い所。
「でいねい」とも読む。

【泥濘む】ぬかるむ

雨や雪どけ、霜どけのために道がどろどろになる。
「道が泥濘んでいて歩きにくい」
泥濘(ぬか)る」ともいう。

【青味泥】あおみどろ 

アオミドロ。緑藻類ホシミドロ目の淡水藻。
「水綿」
Wikipediaアオミドロ   

【雲泥】うんでい 

雲と泥。非常に違っていることにたとえる。
雲壌(うんじょう)」「月鼈(げつべい)
《雲泥の差》うんでいのさ 
天の雲と地の泥の差の意から。非常にかけ離れていること。
雲泥万里(うんでいばんり)」「天懸地隔(てんけんちかく)

【雲泥万里】うんでいばんり 

雲泥の差を強調した言い方。
「万里」は極めて遠い意。

【暮れ泥む】くれなずむ 

日が暮れそうでいてなかなか暮れないでいる。
「暮れ泥む秋の空」

【拘泥】こうでい 

気持ちがとらわれること。こだわること。
「ささいな事に拘泥する」

【雪泥鴻爪】せつでい(の)こうそう 

人の一生または、事業などが、はかなくて跡が残らないことのたとえ。
「雪泥」は雪()けのぬかるみ。「鴻爪」は(おおとり)爪痕(つめあと)

《字源》

声符は「尼(じ)
人が二人、互いにもたれあう形。
「色」などと同じく男女のことを示す字で、和らぐ・安んず・愛す・親しむなどの意がある。
泥のネバネバイメージから「尼」声を用いていると思われる。

【≪戻る】【トップページへ戻る】【進む≫】