【点】 9画 (5)  9級

旧字【點】 17画 (5) 1級


[音] テン
[訓] ともとぼ
  ともる・とぼ
ける
  てる

《意味》

  1. ほし。ぽち。てん。
  2. 微細なもの。
  3. 字画の短小なもの。「点画」
  4. 文の区切りをしめすしるし。「句点」
  5. 特定の場所、位置を示す。「起点」「原点」
  6. しみ、よごれ、きず。「欠点」「汚点」
  7. 評価の結果を示す数値。「評点」「得点」
  8. 火をつける。ともす。「点火」「点灯」
  9. さす。「点眼薬」
  10. しらべる。「点検」
  11. 物を数えるときに添える助数詞。「三点」

【点てる】たてる

抹茶にお湯を入れ、茶筅(ちゃせん)でかきまぜたり練ったりする。茶の湯を行う。
「茶を点てる」

【点点】ちょぼちょぼ 

  1. ところどころに少しずつあるさま。
  2. 両者とも大きな差がないさま。
    「てんてん」と読めば別の意味になる。

【点ける】つける

  1. あかりをともす。
  2. 火を燃やす。
  3. 電気製品のスイッチを入れる。「テレビを点ける」

【点前】てまえ

茶道で茶を点てるときの茶の湯の作法や様式。
「結構なお点前で」
「手前」とも書く。

【点額】てんがく

  1. 額に字や画を書くこと。
  2. 試験に落第すること。「竜門点額」
    鯉が竜門を上れば竜となり、失敗すれば額に傷を付けて帰るという伝説より。

【点滴穿石】てんてきせんせき

わずかな力でも積み重なると非常に大きな力を発揮すること。
一滴一滴の小さな水滴も、長い間には硬い石に穴を開けることができるということ。
「点滴石をも穿(うが) つ」が書き下し文。
「雨垂れ石を穿つ」

【点火】とぼし

火を付けて闇を照らす道具。松明など。ともし。
「灯」とも書く。「てんか」と読むと別の意になる。

【点す】ともす・とぼす

あかりをつける。点灯する。

【点る】ともるとぼる 

あかりがつく。ともしびが燃える。

《字源》

旧字は「點」で、声符は「占(せん)「占」には「店(てん)」「沾(てん)の声がある。
小さく黒いほし、しるしを付ける、しらべるなどの意を表す。

《字体》

歴史的に見ると、「點」の形で書かれている例は少なく、「灬」を移動した動用字の関係であるの形で書かれることが多い。
「黑」の部分も「黒」と省略され、手書きの楷書では「黑」が用いられる例はない。
これは「默」「黙」と同様の変化で、「黒」がへん、つくりが単純な場合、楷書体のバランスからこのような字体変化になるよう。
『同文通考』
新井白石
(1760年刊行)
常用漢字に採用されている字体は「点」
明代の文人である徐渭(じょい)の書の中に「点」の字体が認められ、その頃から「点」も通用字体として書かれていたと思われる。
日本では、1757年刊行の『道齋随筆』(田中道齋)や1760年刊行の『同文通考』(新井白石)などにあるように、中国より伝わり、ある程度通用していたと思われる。

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