【点】 9画 灬(5) 9級
旧字【點】 17画 黑(5) 1級
[音] | テン |
[訓] | ともす・とぼす |
ともる・とぼる | |
つける | |
たてる |
《意味》
【点てる】たてる
抹茶にお湯を入れ、茶筅でかきまぜたり練ったりする。茶の湯を行う。
「茶を点てる」
【点点】ちょぼちょぼ
【点ける】つける
【点前】てまえ
茶道で茶を点てるときの茶の湯の作法や様式。
「結構なお点前で」
「手前」とも書く。
【点額】てんがく
【点滴穿石】てんてきせんせき
わずかな力でも積み重なると非常に大きな力を発揮すること。
一滴一滴の小さな水滴も、長い間には硬い石に穴を開けることができるということ。
「点滴石をも穿 つ」が書き下し文。
「雨垂れ石を穿つ」
【点火】とぼし
火を付けて闇を照らす道具。松明など。ともし。
「灯」とも書く。「てんか」と読むと別の意になる。
【点す】ともす・とぼす
あかりをつける。点灯する。
【点る】ともる・とぼる
あかりがつく。ともしびが燃える。
《字源》
旧字は「點」で、声符は「占(せん)」。「占」には「店(てん)」「沾(てん)」の声がある。
小さく黒いほし、しるしを付ける、しらべるなどの意を表す。
《字体》
歴史的に見ると、「點」の形で書かれている例は少なく、「灬」を移動した動用字の関係である「」の形で書かれることが多い。
「黑」の部分も「黒」と省略され、手書きの楷書では「黑」が用いられる例はない。
これは「默」→「黙」と同様の変化で、「黒」がへん、つくりが単純な場合、楷書体のバランスからこのような字体変化になるよう。
常用漢字に採用されている字体は「点」。
『同文通考』
新井白石
(1760年刊行)
明代の文人である徐渭の書の中に「点」の字体が認められ、その頃から「点」も通用字体として書かれていたと思われる。
日本では、1757年刊行の『道齋随筆』(田中道齋)や1760年刊行の『同文通考』(新井白石)などにあるように、中国より伝わり、ある程度通用していたと思われる。