【莫】 10画 (7) 準1級


[音]
  バク
  マク
 
[訓]
  かれ
  さびしい

《意味》

  1. くれる。くれ。おそい。日・年がくれる。ゆうぐれ。「暮」
  2. ない。なし。なかれ。否定・禁止をあらわす助字。
  3. むなしい。さびしい。「寞」
  4. 果てしなく広い。「漠」

【莫い】ない

否定の意を示す語。

【莫かれ】なかれ

禁止の意を表す語。~してはいけない。~するな。~な。

【莫告藻】なのりそ

「ホンダワラ」の古名。和歌では「な()りそ」の意に掛けて用いられたり、「名告る」を導く序詞を構成したりする。なのりそも。
Wikipediaホンダワラ
「神馬藻」とも書く。

【莫迦】ばか

  1. 頭のはたらきがにぶいこと。また、その人。あほう。
  2. つまらないこと。何の益もないこと。損をすること。
  3. 機能を果たさないこと。
  4. 一つのことだけにかかわっていて、広い視野からの判断ができないこと。「親莫迦」
  5. 程度が並外れていること。「莫迦正直」
「馬鹿」とも書く。「莫迦」「馬鹿」はともに当て字。

【莫逆】ばくぎゃく

互いに気心が通じ、争うことのない親しい間柄。
「おすぎとピーコは莫逆だ」
「逆らうこと莫し」が書き下し文。
「ばくげき」とも読む。

【莫逆之友】ばくぎゃくのとも

互いに心の通い合った非常に親しい友。親友。
「莫逆之(まじわり)」「管鮑(かんぽう)之交」「莫逆之(ちぎり)

【莫大】ばくだい

数量・程度が極めて大きいようす。この上ないようす。多大。巨大。
「これより大なるは()し」の意。

【莫連】ばくれん

世間ずれしてあつかましいこと。また、そういう人。すれっからし。
女性についていうことが多い。
「莫連女」「莫連者」

【莫大小】メリヤス

細い糸を機械で編んだ布状のもの。伸縮性・柔軟性に富む性質を持つ、絹または綿の織物。ニット。
スペイン語「medias(長靴下)」から。
メリヤスが自由に伸び縮みすることから当てた表記で、「大小()し」の意。
「目利安」とも書く。

【莫差特】モーツァルト

オーストリアの作曲家。
Wikipediaヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

【莫臥児】モール

  1. 金・銀あるいは色糸をからませた飾り()りの糸。モール糸。
  2. 針金に色糸・ビニールなどを撚りつけたもの。
ポルトガル語「mogol」から

【莫三鼻給】モザンビーク

アフリカ南東部、インド洋に臨む共和国。
Wikipediaモザンビーク」「国名の漢字表記一覧
「茂山比丘・模賛皮」とも書く。

【莫斯科】モスクワ

ロシア連邦の首都。
Wikipediaモスクワ」「外国地名の漢字表記一覧

【莫奈】モネ

フランスの画家。
Wikipediaクロード・モネ

【莫里哀】モリエール

フランスの劇作家・俳優。
Wikipediaモリエール

【莫臥児】モンゴル

アジア北東部、モンゴル高原北部の内陸国。
Wikipediaモンゴル」「国名の漢字表記一覧

【干将莫邪】かんしょうばくや

名剣の名。
中国春秋時代、刀匠「干将」とその妻「莫邪」が協力して()闔閭(こうりょ)のために作った名剣。
「莫邪」は「莫耶」とも書く。

【索莫】さくばく

心を潤す物がなく、物寂しいようす。物足りなく気が滅入(めい)るようす。
荒涼としたさま。
落莫(らくばく)
「索漠・索寞」とも書く。

【秋風索莫】しゅうふうさくばく

物事の勢いがなくなって物寂しいようす。
「索莫」は「索漠」「索寞」とも書く。

《字源》

(ぼう)+日」
は草むらで、「莫」は草間に日が沈む形。
後に否定詞に用いるようになり、区別するため更に「日」が加えられ「暮」が作られた。
「莫」の篆書。
「屮(てつ)は若芽の象形で、その数によって「屮(そう)・(き)・(ぼう)と規模が変わってくる。
「艸」はくさかんむりの元の形。

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