【糞】 17画 米(11) 準1級
[音] | フン |
[訓] | くそ |
けがれ | |
はらう | |
つちかう |
《意味》
【糞】くそ
「屎」とも書く。
【糞味噌】くそみそ
「味噌糞」ともいう。
【糞掃衣】ふんぞうえ
僧の衣のこと。
糞や塵のように捨てられたぼろ布を洗い、つづって作ったことからいう。
【糞土】ふんど
《糞土の牆は杇るべからず》ふんどのしょうはぬるべからず
性根のしっかりしていない怠け者は教育しても効果がないということ。
腐った土の壁は、もとがしっかりしていないから、剝げ落ちても塗り直すことができない意から。
「朽木糞牆」
「杇」は漢検配当外の漢字。
【糞尿】ふんにょう
大便と小便。大小便。
【朽木糞土】きゅうぼくふんしょう
意欲や素質のない者は教育するのが難しいことのたとえ。
また、役に立たないものや、手の施しようのないもののたとえ。
「朽木」は腐った木。「糞土」はぼろぼろになった土。
腐った木は彫ることができず、ぼろぼろになった土壁は上塗りできないという意から。
「朽木糞牆」「朽木之材」
「朽木は雕るべからず、糞土の牆は杇るべからず」
【卦体糞】けったくそ
「卦体」を強めていう語。いまいましいこと。けたくそ。けったくそ。
「卦体糞が悪い」
「けたくそ」とも読む。
【人糞】じんぷん
人間が排泄した大便。
【脱糞】だっぷん
大便をすること。
【猫糞】ねこばば
悪いことをして、あとをごまかして知らん顔をすること。
特に、拾った物をだまって自分のものにすること。
「猫糞を決め込む」
猫が糞に泥をかけて隠すことからという。
【自棄糞】やけくそ
自分の思い通りにならないため、前後のみさかいなく乱暴な(無茶な)振る舞いをすること。
「自棄」を強めていう語。
《字源》
「米+(はん)+廾(きょう)」。
「米」は屎(くそ)の形、「」は長い柄のある塵取り、「廾」は両手。
両手で塵取り押して塵を掃除することをいう。
:「糞」の篆書。
《字体》
「異」の初唐標準字体は「」「」で、それを含む「糞」「翼」「冀」「戴」なども同様。
「異」の字体はまれで、『康煕字典』以降正字に採用され、以後の漢和辞典でも正字とされる。
現在手書きでは「」と書くのが一般的。