[音] | シン |
チン |
[訓] | まくら |
《意味》
まくら。まくらをして横になる。
【枕弋待旦】ちんかたいたん
戦いの備えを怠らないこと。
戈を枕にして眠り、朝になるのを待つ意。眠っているときでも戦争準備の心がけをしていることのたとえ。
「戈を枕にして旦を待つ」が書き下し文。
「枕弋寝甲」
【枕席】ちんせき
《枕席に侍る》ちんせきにはべる
女性が男性と同じ寝床で寝る。伽をする。
「枕席を薦む」「枕席を払う」「枕席に侍す」ともいう。
【枕籍・枕藉】ちんせき
「ちんしゃ」とも読む。
【枕石漱流】ちんせきそうりゅう
浮世を離れて山林に隠れ住み、自由な生活を送るたとえ。
石を枕とし、川の流れで口をすすぐ。自然の中で暮らす意。
「石に枕し流れに漱ぐ」が書き下し文。
【枕頭】ちんとう
人の寝ている枕元。まくらべ。まくらがみ。枕上。
【枕流漱石】ちんりゅうそうせき
屁理屈を並べ負け惜しみの強いことのたとえ。
晋の孫楚が、「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを誤って「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまい、咎められると、石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは耳を洗うためだ、と言ってごまかしたという故事から。
「石に漱ぎ流れに枕す」が書き下し文。
「漱石枕流」ともいう。
【円木警枕】えんぼくけいちん
寝る間も惜しみ努力して一生懸命勉学に励むこと。
「円木」は丸い木。「警枕」は眠りを覚まさせる枕。
宋の司馬光は若い頃読書に熱中し、眠り過ぎると枕が転がって目が覚めるようにと、丸木を枕にして寝て勉学に励んだという故事から。
「懸頭刺股」「蛍雪之攻」
【扇枕温衾】せんちんおんきん
親孝行なことのたとえ。
「衾」は掛け布団。夏には枕元で扇であおいで涼しくし、冬には自分の体温で親の掛け布団を温めておいてから親を寝かせる意。
「枕を扇ぎ衾を温む」が書き下し文。
「扇枕温被」「温凊定省」
【漱石枕流】そうせきちんりゅう
屁理屈を並べ負け惜しみの強いことのたとえ。
晋の孫楚が、「石に枕し流れに漱ぐ」と言うべきところを誤って「石に漱ぎ流れに枕す」と言ってしまい、咎められると、石に漱ぐのは歯を磨くため、流れに枕するのは耳を洗うためだ、と言ってごまかしたという故事から。
「石に漱ぎ流れに枕す」が書き下し文。
「枕流漱石」ともいう。
《字源》
声符は「冘(ちん)」。
「冘」は人が枕して寝ている形。
水底に沈み横たわることを「沈」という。
:「冘」の篆書。