【弥】 8画 (5)  2級

基本字【彌】17画 (14) 1級


[音]
[訓]
おさめる
ひさしい
わた
あまね
いよいよ
いや
つくろ

《意味》

  1. あまねし。広く端まで行きわたっている。すみずみまで行きわたっているさま。「弥漫」
  2. とおい。ひさしい。関係や時間がとおい端まで及ぶさま。「弥久」
  3. つくろう。とじつくろう。「弥縫」
  4. いよいよ。遠くのびても、いつまでも程度が衰えない意をあらわす言葉。ますます。いや。「弥栄」
  5. 梵語「ミ」の音訳字。「阿弥陀」。

【弥】いや 

いよいよ。ますます。
「弥増す」

【弥が上に】いやがうえに

なおその上。ますます。一層。
副詞的に使う。
「弥が上にも人の噂になりやすい」

【弥栄】いやさか

今までよりますます栄えること。
「ご両家の弥栄を祈って」

【弥終】いやはて

最後。一番あと。

【弥増す】いやます

どんどん増す。どんどんふえる。
「寂しさが弥増す」

【弥・弥弥】いよいよ

それまでよりも、より一層。ますます。
予定していたことがついに起こるようす。とうとう。
「弥雨が激しさを増していった」
愈愈」とも書く。

【弥久】びきゅう

久しい間にわたること。長びくこと。
「曠日弥久」・・・無駄に長期間の日を過ごすこと。

【弥縫】びほう

一時しのぎにおぎない間に合わせること。失敗・欠点を取り繕うこと。
「彼女との関係を弥縫していく」

【弥縫策】びほうさく

失敗・欠点を一時しのぎに補って間に合わせるための対策。
「政府の弥縫策に賛否が分かれる」

【弥漫】びまん

ある風潮などが広がること。はびこること。蔓延(まんえん)
「瀰漫」とも書く。

【弥加耶児】ミカエル

ミカエル。ロシアの皇帝など。

【弥ミサ

ミサ。キリスト教の儀式。またそのときに用いられる曲、ミサ曲の略。

【弥陀】みだ

阿弥陀」の略。

【弥拉波】ミラボー

ミラボー。オノーレ・ミラボー。フランスの政治家。
「美良房」とも書く。
Wikipediaオノーレ・ミラボー

【弥児頓】ミルトン

ミルトン。ジョン・ミルトン。イギリスの詩人。
「米爾頓」とも書く。
Wikipediaジョン・ミルトン

【弥列】ミレー

ミレー。ジャン=フランソワ・ミレー。フランスの画家。
Wikipediaジャン=フランソワ・ミレー

【弥勒】みろく

釈迦(しゃか)の入滅後五六億七千万年後にこの世に下り、新しい仏として衆生(しゅじょう)を救うと信じられている菩薩(ぼさつ)。弥勒菩薩。
Wikipedia弥勒菩薩

【弥次】やじ

  1. やじること。また、その言葉。
    「相手チームに弥次を飛ばす」
  2. 「弥次馬」の略。
「野次」とも書く。

【弥次馬】やじうま

自分に関係ない物事に興味・関心を持ち、人のあとについてわけもなくさわぎたてる人々。
「野次馬」とも書く。

【弥次喜多】やじきた

  1. 気楽な漫遊旅行。「弥次喜多道中」
  2. よく似合ったおどけ者の二人組。
十返舎一九の滑稽本の主人公の名から。

【弥次郎兵衛】やじろべえ

短い棒または人形をかたどったものの上端に細長い横棒をとりつけ、その先端におもりをつけて左右を平均させ、棒・人形などが倒れないようにしたおもちゃ。

【弥猛】やたけ

盛んに勇み立つさま。はやりにはやるさま。
「心が弥猛に(はや)る」

【弥の明後日】やのあさって

明後日(あさって)の次の日。明明後日(しあさって)。やなあさって。
東京では「明後日の次の次の日」を指す場合もある。

【弥生】やよい

陰暦三月の別称。太陽暦の三月にも言う。

【弥立つ】よだつ

あまりの恐ろしさ・寒さ・驚きなどのためにぞっとして、体の毛が立つ。
多く「身の毛が弥立つ」の形で使う。

あみだ

  1. 大乗仏教の浄土教の中心をなす仏。阿弥陀如来。
  2. 阿弥陀籤(あみだくじ)」の略。人数分の線を引き、一端にそれぞれ異なる金額を書いて隠し、各自が引き当てた金額を出させるくじ。集めた金で茶菓子などを買い、平等に分配する。
    線の引き方が放射状で、阿弥陀仏の後光に似ていたからという。
  3. 阿弥陀笠(あみだがさ)」の略。笠を後ろ下がりにかぶること。笠の内側の骨が仏像の光背の形に見えることからいう。
  4. 阿弥陀被り(あみだかぶり)」の略。帽子などを、後ろ下がりにかぶること。
    「帽子を阿弥陀にかぶる」

日弥久】こうじつびきゅう

無駄に長期間の日を過ごすこと。
「日を(むなし)くして久しきに(わた)る」が書き下し文。

弥】しゃみ

仏門に入ったばかりで、まだ修行をつんでいない僧。未熟な僧。
「さみ」とも読む。

《字源》

金文の字形は、「彌」の上に「曰(珠玉の形)がある形。
弓は魔除けの呪具として用いられ、「爾」は婦人の上半身に文身(入れ墨)を施している形。珠玉も加わり、多幸を祈る意と思われる。

《字体》

隷書の頃から「弥」の字体で書くのが一般的で、手書きの楷書ではが主に書かれてきた。
詳細はの項で。

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