【濤】 17画 (14) 準1級


[音] トウ
[訓] なみ

《意味》

なみ。おおなみ。なみだつ。

【濤声】とうせい

大きな波の音。水の大きなうねりの音。

【濤】なみ

水の大きなうねり。風・振動などによって水面に生じる上下運動。

【雲濤煙浪】うんとうえんろう

  1. 雲や(もや)で覆われた波のこと。
  2. (はる)彼方(かなた)で雲に連なる波のこと。
水平線の彼方で雲と波が連なったように見える、波の雄大なさまをいう。

【狂瀾怒濤】きょうらんどとう

  1. 荒れ狂う大波。
  2. 社会情勢などが非常に混乱した状態にあること。「狂瀾怒濤の時代」
疾風怒濤(しっぷうどとう)

【洪濤】こうとう

大きな波。洪波(こうは)。大波。

【疾風怒濤】しっぷうどとう

時代が激しく変化することの例え。
「疾風」は速く吹く風、「怒濤」は嵐で逆巻く大波。
ドイツ語のSturm und Drangの訳語で、18世紀後半のゲーテを中心とするドイツの文学運動を指す。

【松濤】しょうとう

松に吹く風の音を波の音に例えた語。まつかぜ。
松籟(しょうらい)」「松韻(しょういん)

【怒濤】どとう

  1. 激しく荒れ狂う大波。
  2. 移り変わりの激しいこと。「怒濤の攻撃」

【波濤】はとう

海原の中のうねりの大きな波。大波。高い波。

【波濤万里】はとうばんり

遠い外国のこと。(はる)か海を隔てた、遠い異国の地のこと。
「波濤」は大きな波。「万里」は極めて遠い距離。
はるばると外国へ赴くときの航路・航程などの形容にも用いられる。

【風濤】ふうとう

  1. 風と波。
  2. 風が吹いて波がたつこと。また、その波。風浪。

《字源》

声符は「壽(じゅ)
「壽」の初文は(ちゅう)
は田の疇(うね)で、祝詞を入れる器「口(さい)を添えて、豊作を祈る意。
「壽」は、上に「耂(老)」を乗せている。
「耂」は長髪の人の側身形で、その長髪が垂れている形。
「壽」は、一族の長老が田の(うね)で豊穣を祈る意で、の初文。
「壽()」の甲骨文字
「老」の甲骨文字。
「老」の篆書。
「壽(寿)」の金文。上部は「耂」。下部に「寸(手)を加える字形もある。
「壽(寿)」の篆書。

《字体》

旁の部分「壽」の初唐標準字体はで、手書きではこの形がよく書かれてきた。
その草書を楷書体化したものが「寿」
『倭楷正訛』
(太宰春台)
日本では江戸時代には一般的であったようで、『倭楷正訛』(太宰春台)に記載。
「壽」の部分は複雑ですが、縦から順に分解して「(さむらい)のフエは一(インチ)」と覚えましょう。

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