21画 (15) 準1級

交換略字【蝋】


[音] ロウ
[訓]

《意味》

ミツバチの巣やハゼの実などから採った脂肪に似た物質。

【蠟色塗り】ろいろぬり

漆器の塗りの技法の一つで、油分を含まない蠟色漆(ろいろうるし)を塗って乾かし、研磨して光沢を出す塗り方。
蠟色・呂色ともいう。
CMYK:0、0、0、100 RGB:43、43、43 16進: #231F20

【蠟纈染め】ろうけつぞめ

防染に蠟を用いた染色法。蠟と樹脂とをまぜ合わせた防染剤で布に模様をかき、染色液に浸したあとで防染剤を取り除くもの。
明治以降ジャワ更紗(さらさ)の影響を受けて始まったもの。
奈良時代には行われたものと技法は似るが関連はなく、奈良時代のものは纐纈(こうけつ)夾纈(きょうけつ)とあわせて三纈(さんけつ)と呼ばれた。

【蠟石】ろうせき

脂肪のような光沢や蠟のような感触をもつ鉱物の総称。耐火物・陶磁器などの原料。
多く葉蠟石を主成分とする鉱石を指すが、滑石やカオリンなど似た外見をもつものも含めていうことがある。
チャコ・石筆などに利用する。

【蠟燭】ろうそく

糸などを(しん)にして円筒状に蠟を固めたもの。芯に火をつけて、あかりとして用いる。
《蠟燭は身を減らして人を照らす》ろうそくはみをへらしてひとをてらす
自分の身を犠牲にして他人のために尽くすたとえ。

【蠟梅】ろうばい

ロウバイ科の落葉低木。冬、葉よりも先に香気のある花がさく。
Wikipediaロウバイ
「臘梅」とも書く。

【蠟涙】ろうるい

ともした蠟燭(ろうそく)からとけて流れる蠟。涙にたとえていう。

【屍蠟】しろう

死体現象の一つ。死体が腐敗しないで長く原形を保ち、蠟のように変化したもの。
長く水中や水分の多い地中に置かれたときなどになる。
「屍蠟化した遺体」

《字源》

声符は(りょう)
(たてがみ)のある獣の形。

《字体》

『同文通考』
(新井白石)
1760年刊行
※違いが分かるように
改編
つくりの「巤」は古くから日中ともにのように略されることが多かったが、日本で少なくとも江戸時代にと略されて書かれるようになり、この時点で「鼠」の略字とほぼ同じ形になる。
日本では、上部の複雑な部分は「ツ」で略される場合が多い。
明治期(cf.『俗字略字』)までには「鼠」はさらにに略されているが、「巤」も大正8年の『漢字字体整理案』などの「猟(獵)」に見えるように、に略されるようになった。
つまり、大正時代までには、「巤」「鼠」も同じ「鼡」という字体が広く一般に書かれていたことが分かる。

『漢字字体整理案』
大正8年
『俗字略字』
(黒柳勲)
明治43年刊行
 
『俗字略字』
(黒柳勲)
明治43年刊行


【≪戻る】【トップページへ戻る】【進む≫】