【輸】 16画 車(9) 6級
旧字体【】
[音] | ユ |
シュ |
[訓] | おくる |
うつす | |
いたす | |
まける |
《意味》
「ユ」は「シュ」の慣用読み。
【輸る】おくる
車や船などで物を運ぶ。物をほかの場所へ移す。運搬する。
【輸贏】しゅえい
負けと勝ち。勝ち負け。勝敗。勝負。
「贏」は勝ちの意。
「ゆえい」とも読む。
【輸攻墨守】しゅこうぼくしゅ
攻める方も守る方も知略を尽くすこと。
技術者の公輸班が雲梯をつくって城を攻め、墨子がその城をかたく守るという意から。
「ゆえい」とも読む。
【輸する】しゅする
「ゆする」とも読む。
【輸地子田】ゆじしでん
古代の田地の区別。
律令制で、田租の代わりに収穫物の二割程度の地子を国家に納入した田。公民の賃租によって耕作された。公田・無主田など。
【一籌に輸す】いっちゅうにゆす
勝負に負ける。
「籌」は、勝負を争うときの数取りの道具。「輸」は、負ける。
【贏輸】えいしゅ
かちまけ。勝敗。
「えいゆ」とも読む。
《字源》
「輸(/*l̥o/BS)」は、意符「車」、声符「兪(ゆ)(/*lo/BS)」の形声文字。
上古音で無声のl(l̥)は中古音でsyに、上古音oは中古音でuに変化する。つまり上古音/*l̥o/BSは中古音ではsyuとなり、日本にもその音が伝わるが、慣用音のユとなる。
:「兪」の甲骨文字。
:「兪」の金文。
右側の部分は「余」との説もあるが、形が異なる。左側は「舟」であり、刃物(「㐃」)で木をくりぬいて舟を作る形とされるが構形不明。